李仁模

李仁模（リ・インモ、1917年8月24日 - 2007年6月16日）は、北朝鮮の人物であり、朝鮮戦争中に韓国で逮捕され、40年もの間、獄中生活を送ったことで知られています。彼は、その間、政治的信条を放棄することを拒否し続け、不屈の精神を示しました。

生涯

李は、日本統治下の朝鮮半島、咸鏡南道豊山郡（現在の両江道金亨権郡）で生まれました。東京の高校に通っていましたが、独立後に中退しました。朝鮮戦争中の1950年7月、朝鮮人民軍の従軍記者として活動していた李は、智異山でのゲリラ戦中に韓国軍に逮捕されました。

1952年、懲役7年の判決を受け、1959年に出所しましたが、「社会保護会」の管理下に置かれ、練炭工場で働くことを余儀なくされました。1961年には地下党への組織資金提供の疑いで再逮捕され、懲役15年の判決を受けました。李は、韓国で合計27年間もの獄中生活を送りました。その間、政治的信条を放棄する文書に署名すれば自由の身になれるという提案を何度も受けましたが、彼はこれを断固として拒否し続けました。

1988年10月に釈放されたものの、韓国政府による活動制限は続きました。1989年には月刊誌に「朝鮮人民軍従軍記者の最後の任務」と題した手記を寄稿しました。1991年7月、脳出血で手足が不自由になった李は、釜山の病院に入院しましたが、南北政府間の交渉の結果、1993年3月11日に北朝鮮への送還が決定し、同年3月19日に北朝鮮に送還され、板門店で家族との再会を果たしました。

北朝鮮への帰還後、刑務所での生活が原因で体調を崩し、1996年5月にはアメリカで治療を受けるため、北京と成田空港を経由して出国しました。体調が回復した後、北朝鮮政府は李の獄中生活を映画化しました。北朝鮮では、李は公の場にたびたび登場し、国民の人気を集めました。しかし、映画の中でハンストの場面が描かれたため、韓国の刑務所にはハンストができるほどの食料があるという印象を国民に与え、刑務所生活がそれほど悪くないと思わせてしまったという逸話もあります。

2007年6月16日、李は亡くなり、国家英雄として国葬が執り行われました。葬儀委員会は、金永南が委員長、崔泰福が副委員長を務め、金英逸を含む55人の委員で構成されました。翌年には、平壌の統一通りに銅像が建立されました。

著作

李は、自身の体験や信念を綴った著作を複数出版しています。

Ri In-mo (1993). Incarnation of Faith and Will: Notes of Ri In Mo, Former War Correspondent of the Korean People's Army. Pyongyang: Foreign Languages Publishing House.
Ri In-mo (1994). A Withered Leaf Turning Green. Pyongyang: Foreign Languages Publishing House.
Ri In-mo (1997). My Life and Faith: Memoirs*. Pyongyang: Foreign Languages Publishing House.

これらの著作を通じて、李は自身の生涯と信念を伝え、多くの人々に影響を与えました。彼の不屈の精神と強い意志は、今もなお語り継がれています。

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