李醺雨

李醺雨（り くんう、イ・フヌ）

李醺雨は1886年に朝鮮の慶尚南道河東郡に生まれ、1937年に亡くなった著名な建築家です。彼の独自のスタイルと先見の明は、朝鮮における近代建築の発展に大きな影響を与えました。

生い立ちと教育

李醺雨は李鍾亀の三男として家族に迎えられました。彼の学問への情熱は早くから現れ、日本への留学を念頭に置きました。1908年4月、彼は名古屋高等工業学校の建築科に入学し、3年後の1911年に卒業しました。日本での学びは、彼にとって建築の基礎をしっかりと築く貴重な経験となりました。

職業生活の始まり

卒業後、李醺雨は朝鮮総督府総督官房土木局営繕課に技手として勤務しました。ここで彼は、1922年に建設された景福宮新庁舎の建築プロジェクトに関与し、実際の現場での経験を積むこととなります。しかし、彼は1920年に総督府を離れ、独立した建築業務を始めました。これが、韓国人によって設立された最初期の建築事務所の一つと見なされています。

主な作品

李醺雨の建築作品は多岐にわたります。彼の重要な業績の一部を以下に紹介します。

• - 釜山中学校（1913年）：教育の場として地域に貢献した建物です。
• - 普成学校（1914年）：彼の教育機関に対する情熱が伺える作品。
• - 同徳女学校（1915年）: 女性教育の重要性を感じ、立案された教育施設です。
• - 民立ソウル病院（1921年、未完成）：医療の発展に寄与しようとした意欲的なプロジェクト。
• - 天道教大神師出世百年記念館（1924年）：宗教的な建築物として意義のある建物です。
• - 晋州・一新女子高等普通学校（1928年、慶尚南道営繕課との共同作業）：女子教育の拡充を図る重要な施設。
• - 朝鮮日報社平壌支局（1929年）：メディアの発展を支えるために設計されました。

彼の作品は、美しさと機能性を兼ね備えたものが多く、当時の社会や文化に深く根ざしています。彼の建築理念は、後の世代に多大な影響を与え、その足跡は現在も建築界に生き続けています。

参考文献

李醺雨の建築に関する研究は近年増えており、彼の業績を再評価する動きがあります。特に、「建築家 イ・フヌに関する研究」と題された論文や、韓国近代建築史の再考を促す報道などが注目されています。李醺雨の功績を忘れず、彼の魅力的な建築の数々を通じて、より深い理解を得ることが重要です。

もう一度検索