李鐘燮

李鐘燮の経歴と役割

李鐘燮（イ・ジョンソプ）は、1960年8月20日に慶尚北道永川市で生まれた大韓民国の元政治家、陸軍軍人、外交官です。彼は陸軍士官学校を第40期生として卒業し、1984年には小尉に任官されました。その後、数々の重要な役職を歴任し、最終的には陸軍中将の階級にまで達しました。

軍事キャリアの初期

李鐘燮は、国防部において第1野戦軍司令部の参謀次長や、国防部政策企画次長などの重要な職務を担いました。彼は韓米安保協議会にも関与し、韓国の軍事戦略において重要な役割を果たしました。2008年には、李明博政権において大統領室外交安保首席室の安保政策担当官に任命され、その後2010年には国家情報院の国防補佐官に転任しました。

重要な昇進と役割

2013年に少将に昇進した後、李は第2歩兵師団の師団長を歴任し、その後合同参謀本部新連合防衛推進団長としても活動しました。この期間中、彼は戦時作戦統制権の転換に関与し、テネシー州立大学から政治学の博士号も授与されました。2016年4月には中将に昇進し、第7機動軍団の軍団長に指名され、さらに2017年には合同参謀本部次長に就任しました。この任期中、李は韓米の軍事演習の拡大を実現するための交渉を行い、アジア地域における安定を図りました。

国防部長官としての活動

2022年の大統領選挙で、尹錫悦が当選した際、李は大統領職引き継ぎ委員会の外交・安全保障分科会に任命された後、国防部長官に指名されました。これは、盧武鉉政権以来18年ぶりの中将出身の国防部長官でした。李は国会の人事聴聞会を経て、正式に国防部長官に就任しました。

李鐘燮は、国防部長官として6月にシンガポールで中国国防部長と会談し、韓米国防相と共に軍事戦略についての重要な合意を得るなど、外交面での活動も広範囲にわたりました。彼は韓米日防衛相会談にも参加し、ミサイル訓練の定例化を実現しました。

疑惑と辞任

しかし、2023年7月に発生した大規模水害では、捜索中の海兵隊員が殉職し、それに関連して李に対する疑惑が浮上しました。国会での野党からの弾劾要求が高まり、李は9月12日に国防部長官から辞任を表明しました。翌日には尹錫悦大統領により更迭されることとなり、その後、后任には申源湜が指名されました。

辞任後、2024年には駐オーストラリア大使に任命されるも、疑惑の影響で出国禁止措置を受ける事態が起こりました。その後、協力の姿勢を見せることで措置は解除され、依然として政治活動を続ける姿勢を示しています。

天安沈没事件

李はまた、2010年に発生した天安沈没事件においても中心的な役割を果たしました。当時の大統領室の安保政策担当官として、事件の被害者に対する対応を行ったが、その中での行動が一部で批判を受ける結果となりました。

李鐘燮は、韓国の軍事政策や外交において重要な貢献を果たしてきた人物です。彼のキャリアは多様な経験で彩られ、政治と軍事の交差点における重要な役割を担ってきました。

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