村上新九郎

村上 新九郎の生涯

村上新九郎（むらかみ しんくろう）は、1842年に肥後国熊本に生まれた江戸時代末期の藩士であり、明治時代の熊本県警の初期のメンバーとなった。彼の生涯は、冷静かつ沈着な性格を持ちながら、日本の激動の時代の中で生き抜いたことに特徴がある。

学びと成長

新九郎は、江戸時代に設立された時習館で学んだ。ここは、武士としての教養を深めるための教育機関であり、その中で彼は武道にも精進したという。時習館の代見となることで、彼は武士の道を歩み続け、冷静沈着な性格を育んでいった。

明治時代での活動

明治6年（1873年）には、白川県の外四等出仕に任命され、明治8年（1875年）には熊本県の六等警部に昇進する。新九郎の働きは、警察制度が整備される過渡期においても目立ち、彼の冷静な判断力はその後の活動にも生かされることとなる。

神風連の乱への出陣

1876年の神風連の乱は、熊本県の政治情勢を揺るがせた事件であった。この時、新九郎は弟の須崎休十郎からの連絡を受け、敬神党の挙兵を素早く察知した。彼は一等警部の仁尾惟茂に報告し、対策会議のために安岡良亮県令の邸宅に向かう。

会議の際、敬神党の吉村義節らが襲撃してきたが、新九郎は県令やその他の参事を護衛するために素手で戦った。彼は愛敬正吉と激しい格闘を繰り広げ、その結果相手の目をくりぬくという武勇を見せた。しかし、他の敬神党員により重傷を負い、自宅へ逃げたが、翌日には悲しくも命を落とすこととなる。享年34歳であった。

その後の評価

村上新九郎の功績はその後も評価され続け、彼の墓は熊本市の室園墓地に存在している。彼の生涯は、幕末から明治にかけての混沌とした時代を生きた武士としての姿を物語っている。新九郎の勇気と献身は、後世に語り継がれるべき偉業であり、彼の精神は熊本の歴史の中で生き続けている。

出典

• - 書籍「神風党の乱」-そのとき警察は-（非売品）
• - 「熊本縣警察彰功録　第壹編」 明治35年
• - 「熊本縣殉職警察官彰功録」 昭和4年

村上新九郎の人生は、多くの人々に影響を与え、多くの出来事に巻き込まれながらも、自らの信念を貫いた一人の武士の姿を映し出している。

もう一度検索