村岡晢

村岡晢（むらおか あきら）

村岡晢（1911年9月6日 - 1996年5月7日）は、日本を代表する西洋史学者で、西洋史の研究に多大な貢献をしました。早稲田大学の名誉教授としての地位を持ちながら、特にドイツ近代史に深く取り組んだことで知られています。

人物・来歴

村岡は東京にて、村岡典嗣の長男として生まれ育ちました。彼は東北帝国大学文学部に進学し、そこで歴史学の基礎を学びます。1956年には東京大学で「ランケ研究序説」をテーマとした博士論文を提出し、文学博士の学位を取得します。その後、山形大学の助教授を経て、早稲田大学教育学部の教授に就任し、1981年に定年退官するまで、多くの学生にその知識を伝えました。また、退官後は名誉教授として、大学の歴史教学に引き続き貢献しました。

受賞・栄典

彼の業績は高く評価され、1984年には日本政府から勲三等瑞宝章を受章しています。これは歴史学の分野において彼の影響力を証明するものと言えるでしょう。

著書

村岡の著書は数多く、その中には『フリードリヒ大王研究』（1944年）、『ランケ　人と業績シリーズ』（1959年）、『フリードリヒ大王 啓蒙専制君主とドイツ』（1971年、1984年新版）などが含まれます。特に『フリードリヒ大王研究』は彼のフリードリヒ大王に関する深い考察を示しており、学界でも名著とされています。また、『近代ドイツの精神と歴史』（1981年）、『レーオポルト・フォン・ランケ 歴史と政治』（1983年）なども、彼の西洋史学における視点を如実に反映させた作品です。さらに、彼は随筆集『史想・随想・回想』（1988年）やその続編を編纂し、歴史研究だけでなく、幅広いテーマに取り組む多才な研究者でした。

共編著

村岡はその研究の中で他の学者と共同で作成した書籍も多く、例えば『新稿西洋史』（1954年）、『西洋史要』（1959年）、『ヨーロッパ世界の史的形成』（1968年）などがあります。

翻訳

また、彼は翻訳者としても知られ、ディルタイの『フリードリヒ大王とドイツ啓蒙主義』や、ランケの『世界史の流れ』など、多くの重要な欧米の著作を日本の読者に紹介しました。

記念論集

1996年の彼の死後、彼の業績を称える論集『近代ヨーロッパ史論集 村岡晢先生喜寿記念』が発行され、彼の歴史学への貢献が改めて評価されています。

村岡晢はその生涯を通じて、西洋史の研究と教育に尽力し、後進の学者たちに多くの刺激を与え続けました。

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