村松藩の歴史
村松
藩(むらまつはん)は、
越後国の蒲原郡において村松、下田、七谷、見附の地域を支配していた
藩です。
藩の中心地は村松城にあり、現在の
新潟県五泉市に位置しています。
藩の成立と初期の状況
村松
藩の歴史は、
寛永16年(1639年)に堀直寄の次男、堀直時が安田で3万石を与えられたことから始まります。
寛永21年(
1644年)5月、直時の息子堀直吉によって、
藩の拠点が安田から村松に移され、正式に村松
藩と称されるようになりました。しかしながら、村松
藩は大部分が山間地で、石高の増加はあまり見られず、
貞享4年(
1687年)には実質的な石高は4万石にものぼると言われています。
第2代
藩主の直吉は、
藩内で
検地を行い、行政を確立させましたが、直吉の死後は財政の悪化が進行しました。以降は何度も
藩政改革が行われましたが、その効果はあまり実を結びませんでした。特に、第8代
藩主・堀直庸の時代には、家老の堀玄蕃による百姓からの搾取が行われ、これが原因で文化11年(
1814年)には全
藩規模で百姓一揆が発生しました。
藩主の改革と幕末の動乱
嘉永3年(
1850年)に、第9代
藩主の堀直央は城主として村松
陣屋を城に改修し、
藩政改革に乗り出しました。彼は、村松産の織物や紙、筆、茶、村松焼などの産業振興に努めましたが、
万延元年(
1860年)に彼と後任の堀直休が相次いで亡くなってしまったため、この改革は続きませんでした。
幕末期には、村松
藩内で
尊王論が台頭し、
尊王攘夷派と保守派の対立が激化しました。その結果、
慶応2年(
1866年)には村松七士事件が発生し、
藩内が混乱に陥ります。この時、
戊辰戦争が勃発し、
藩主らは
奥羽越列[[藩同盟]]に参加、米沢
藩へ逃れる事態となりましたのが安五郎が第9代
藩主の子・堀直弘を新しい
藩主として擁立。これにより、新政府に即座に降伏することで村松
藩は所領を保つことができました。
明治維新による変化
明治4年(
1871年)に行われた
廃[[藩置県]]により村松
藩は村松県となり、同年末には
新潟県に統合されました。
廃[[藩置県]]の後、直賀と直弘は先祖からの姓を「奥田」に戻し、直弘の子供である奥田直暢は村松奥田家の当主として、また直賀の子の奥田直紹も旧椎谷
藩の当主として子爵に叙せられました。
祭りと文化
2018年5月5日には、村松
藩の資料を基にした松城祭の巡行が行われ、
藩の歴史を再現する行列が行われました。このように村松
藩は、歴史的な背景を持つ地域であり、その文化は現在も地域で受け継がれています。