村田ひろゆき

村田 ひろゆき

村田 ひろゆき（むらた ひろゆき）は、日本の漫画家です。埼玉県で生まれ育ちました。

来歴

彼の漫画家としてのキャリアは、1982年に始まりました。講談社の『週刊ヤングマガジン』増刊号に掲載された短編『馬っこきブルース』でデビューを果たします。

翌1983年頃からは、活動の場を広げ、麻雀専門誌や官能誌、実話誌など、多様な媒体で精力的に作品を発表するようになります。この時期に、『ころがし涼太』をはじめとする人気作品が生まれ、彼の漫画家としての地位を確立していきました。

中でも彼の名を広く知らしめた代表作は、『工業哀歌バレーボーイズ』でしょう。この作品は『週刊ヤングマガジン』で1989年から2006年まで長期にわたり連載され、全50巻という大長編となりました。個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語は多くの読者を惹きつけ、その人気から実写映画化やDVD化といったメディアミックス展開も行われました。また、『ころがし涼太』もアニメや実写作品に、『がぶノミ荒矢』も実写化されるなど、彼の作品は度々映像化されています。

2006年からは、『工業哀歌バレーボーイズ』の続編にあたる『好色哀歌 元バレーボーイズ』の連載を『週刊ヤングマガジン』で開始しますが、2009年12月に病気療養のため一時休載に入ります。翌2010年、彼は同誌に掲載された3ページの漫画の中で、休載の理由が癌治療のためであったことを率直に明かしました。その漫画では、医師から癌の告知を受けたときから治療に至るまでの克明な経過が描かれており、読者に大きな反響を呼びました。病からの回復を経て、『好色哀歌 元バレーボーイズ』は連載を再開し、2011年に完結を迎えました。

『バレーボーイズ』シリーズ完結後も、自身の健康診断の様子などを題材にした漫画を『週刊ヤングマガジン』誌上で発表するなど、自身の経験を作品に昇華させる活動を続けます。そして2012年からは、病院を舞台にした新たな連載作品『ドクター早乙女』を同誌で開始し、2016年まで連載されました。

主な作品リスト

ころがし涼太：『週刊漫画ゴラク』（日本文芸社）にて1986年から1999年まで連載。全29巻。
工業哀歌バレーボーイズ：『週刊ヤングマガジン』（講談社）にて1989年から2006年まで連載。全50巻。
がぶノミ荒矢：『漫画ゴラクネクスター』（日本文芸社）にて1994年から1996年まで連載。全3巻。
ほぐし屋捷：『ヤングマガジンアッパーズ』（講談社）にて1999年から連載。全3巻。
好色哀歌 元バレーボーイズ：『週刊ヤングマガジン』（講談社）にて2006年から2011年まで連載。全17巻。
ドクター早乙女：『週刊ヤングマガジン』（講談社）にて2011年から2016年まで連載。全7巻。
ネオンさん：『週刊ヤングマガジン』（講談社）にて2016年から2019年まで連載。全4巻。
しもべえ：『週刊ヤングマガジン』および『月刊ヤングマガジン』（講談社）にて2019年に連載。全1巻。

受賞歴

村田ひろゆきは、デビュー前の新人時代から複数の漫画賞を受賞し、その才能を認められています。

1981年1月：『学ラン四狂対スケバン四強』（第6回ヤングマガジン月間新人漫画賞佳作）
1981年5月：『学園仕置人』（第10回ヤングマガジン月間新人漫画賞入選）
1981年11月：『学園仕置人』（第4回ちばてつや賞ヤング部門努力賞）
1982年3月：『馬っこきブルース』（第5回ちばてつや賞ヤング部門佳作）
1987年3月：『ほぐし屋ブルース』（第10回ちばてつや賞一般部門佳作）
1988年9月：『ビンボー性だっていいじゃないか』（第13回ちばてつや賞一般部門佳作）

麻雀、実話、アウトローといったジャンルで多くの読者を引きつけ、長期連載やメディアミックスを実現した漫画家であり、また自身の闘病経験をも創作へと繋げた、多面的な活動を展開しました。

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