村田詩歩

村田 詩歩（むらた しほ）は、1994年6月6日に宮崎県小林市で生まれた、日本の元女子プロ野球選手です。独特なサイドスローからの投球を武器とする投手として知られ、女子プロ野球リーグで活躍しました。

アマチュア時代

村田選手の野球人生は幼少期に始まり、小学校2年生から野球部に所属しました。中学卒業まで野球を続け、野球の基礎技術とチームスポーツの精神を培いました。硬式野球に取り組んだ後、高校は地元の小林西高校に進学。ここでは野球部ではなく、ソフトボール部に入部し、投手として頭角を現しました。ソフトボールの経験は、その後の野球人生において投球フォームや変化球など、様々な面で生かされることとなります。高校時代には、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）への出場も果たし、全国レベルでの経験を積みました。

プロ入りと怪我、そして復帰

高校卒業後、村田選手は日本女子プロ野球リーグへの挑戦を決意し、2013年にサウス・ディオーネに入団しました。プロの世界に足を踏み入れたばかりのルーキーイヤー、背番号28を背負い、新たなスタートを切りました。しかし、プロの厳しい環境に順応する中で、右肘に野球肘（後方障害）を発症するという試練に見舞われます。2013年12月5日には、この怪我を治療するため、鏡視下肘頭部分切除術を受けました。大きな手術からの復帰は容易ではありませんでしたが、村田選手は懸命なリハビリに取り組みました。そして、手術から約4ヶ月半後の翌2014年4月18日、ついに公式戦のマウンドに立ち、プロとして初めての手術後登板を果たしました。復帰後間もない2014年5月3日には、対戦相手であるフローラからプロ入り後初となる勝利を挙げ、怪我からの完全復活と自身の成長を証明しました。サウス・ディオーネは、2015年からは組織変更に伴い、兵庫ディオーネとして活動を続けています。

キャリア後半と引退

プロ野球選手として着実に実績を積み重ねていった村田選手は、サイドスロー投手としてチームの勝利に貢献しました。現役生活の終盤となる2015年10月度には、その月の最も活躍した選手に贈られる月間最優秀選手（MVP）に選出され、その実力が広く認められました。そして、選手としての集大成となった2016年シーズンには、リーグで最も多くのセーブを記録し、自身初のタイトルとなる最多セーブ投手に輝きました。安定した投球でチームの救援陣を支え、勝利に貢献した証と言えるでしょう。しかし、この2016年シーズンをもって、村田詩歩選手は惜しまれつつ、プロ野球選手としての現役生活にピリオドを打ちました。

記録と功績

村田選手のプロ野球選手としての歩みは、年度別投手成績や年度別打撃成績として記録に残されています。投手としてはサイドスローという特徴的なフォームで打者と対峙し、多くの三振を奪い、また要所でセーブを挙げる活躍を見せました。前述の通り、タイトルとしては2016年に最多セーブ投手を1回獲得しており、表彰としては2015年10月度に月間MVPを1回受賞しています。背番号はプロ入りから引退まで、一貫して「28」を着用しました。

宮崎県小林市出身というルーツを持ち、怪我を乗り越えながらプロの世界で輝きを放った村田詩歩選手は、女子野球界にその名を刻んだ選手の一人です。その粘り強い投球とタイトル獲得という実績は、多くのファンや後進の選手たちに勇気を与えました。

関連項目

女子野球
宮崎県出身の人物一覧

もう一度検索