東への道

映画『東への道』

概要

『東への道』（ひがしへのみち、英: Way Down East）は、1920年に公開されたD・W・グリフィスの監督によるアメリカのサイレント映画です。リリアン・ギッシュとリチャード・バーセルメスが主演を務め、当時の観客に強い印象を残しました。この映画は、日本では1922年5月4日に両国国技館などで公開されました。最初の新聞広告では『ウェー・ダウン・イースト』という題名で宣伝されていました。

本作品は、ロティ・ブレア・パーカーの戯曲『Annie Lairie』を基に、ウィリアム・ブラディが演出した同名の舞台を映画化したものです。特にグリフィスが得意とする緊迫したシーンや豪華な映像が話題になり、その結果映画は大ヒットしました。ブロードウェイでは1年以上もロングラン上映が続き、アメリカではユナイテッド・アーティスツによって配給されました。そして日本においては、ユナイト日本支社が開設された際の第一作として観客に届けられました。

あらすじ

物語の舞台は、田舎に住むアンナ・ムーア（リリアン・ギッシュ）です。彼女は職を求め、東部に住む親戚の家に身を寄せることを決めますが、そこでプレイボーイのレノックス・サンダースンに騙され、内縁関係を持つことになります。レノックスは結婚をちらつかせるものの、結局彼女は捨てられ、妊娠したアンナは孤独に子供を出産しますが、その子供は洗礼を受ける前に命を落とします。

その後、アンナは新たな場所へ移り住み、地主のバートレット家で女中として働き始めます。そこで彼女はディヴィッド（リチャード・バーセルメス）と出会い、次第に恋が芽生えます。しかし、アンナはレノックスとの過去が心に重くのしかかり、ディヴィッドの求愛に応じることができません。

物語の転機は、レノックスがバートレット家の近くに住んでいることです。彼はアンナの過去を暴露し、これによって厳格なバートレットはアンナを猛吹雪の中、家から追い出します。アンナは冷たい吹雪に立ち向かい、ついには力尽きて凍りついた川の上で失神してしまいます。

彼女の行方を探し続けていたディヴィッドは、意識を失ったアンナを発見し、運命的な瞬間に救出に向かいます。川に流されそうになったアンナを、ディヴィッドは命懸けで助け出すのです。最後に、バートレットもアンナを許し、彼女はディヴィッドとの愛の結びつきを得ることになります。

スタッフ

• - 監督: D・W・グリフィス
• - 脚本: アンソニー・ポール・ケリー
• - 撮影: G・W・ビッツァー、ヘンドリック・サートフ
• - 美術: フランク・ワートマン

キャスト

• - アンナ・ムーア: リリアン・ギッシュ
• - デイビッド・バートレット: リチャード・バーセルメス
• - レノックス・サンダースン: ローウェル・シャーマン
• - 地主のバートレット: バー・マッキントッシュ
• - ノーマ・シアラー（ノンクレジット）

『東への道』は、愛と許し、そして逆境を乗り越える力を描いた作品であり、今日まで多くの人々に感動を与え続けています。

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