東京マラソン2008

東京マラソン2008

東京マラソン2008は、2008年（平成20年）2月17日に東京都内で開催された、通算2回目の東京マラソンです。この大会は、同年の北京オリンピックへ向けた男子マラソン日本代表選考レースも兼ねており、競技性と市民参加が融合した大規模なイベントとして注目を集めました。

参加資格と規模

大会には、エリート選手が出場する選考会の部（フルマラソン）と、一般市民ランナーが参加する一般参加の部（フルマラソン・10km）が設けられました。

選考会の部には、日本陸上競技連盟の登録競技者で、一定の記録基準（フルマラソン2時間30分以内など）を満たした男子選手、あるいは日本陸連が推薦する選手が出場しました。

一方、一般参加の部では、フルマラソンは最大2万5000人、10kmは最大5000人を募集。フルマラソンは大会当日満18歳以上（高校生除く）で6時間40分以内、10kmは満16歳以上で1時間30分以内に完走できる男女が対象でした。

この年の大会では、一般参加の申し込みが殺到。フルマラソンへの事前エントリー数は、前回大会を大幅に上回る約13万人に達し、当初の予定定員を大きく超える27,500人以上が抽選で当選しました。

大会運営の改善

前回大会で明らかになった課題を踏まえ、運営面で様々な改善が施されました。

1. 参加受付の強化: 参加最終受付を行うプレイベント「東京マラソンEXPO」の規模が拡大されました。会場を前年の東京ドームからより広大な東京ビッグサイトへ移し、開催日も2日間から3日間に延長され、スムーズな受付と関連イベントが展開されました。
2. トイレの拡充: 前回大会では悪天候によるトイレへの集中が問題となりましたが、今回は設置箇所数が前回の32か所から41か所へ、設置基数も約200基から約350基へと大幅に増やされ、利便性が向上しました。
3. 給食の充実: 補給食料の不足が指摘されたことから、給食の量が増やされ、時間差での提供などの工夫が行われました。特にバナナは約6万本と前回比1.4倍に増加したほか、リンゴやおにぎりも新たに3万個ずつ用意され、ランナーへのサポートが強化されました。

併催イベントと人出

大会と連動した市民参加型のイベント「東京大マラソン祭り」が、前回大会に続いて実施されました。当日は天候にも恵まれ、沿道の観衆とイベント来場者を合わせ、前回を大きく上回る226万人もの人々が訪れ、街を挙げて大会を盛り上げました。

テレビ・ラジオ中継

この年の大会は、テレビが日本テレビ系列、ラジオがRFラジオ日本によって中継されました。日本テレビは、北京オリンピック選考会という側面に加え、「日本最大の市民マラソン」であることに焦点を当て、一般ランナーの制限時間ぎりぎりまで長時間にわたり生中継を行いました（関東ローカル・衛星放送）。ただし、地方の系列局では、午前中の選考会部分のみの放送となりました。

大会を彩るエピソード

一般参加選手であった藤原新氏（JR東日本所属）が、自己記録を大幅に更新する2時間8分40秒の好タイムで日本人トップの2位に入賞するという快挙を成し遂げました。
大会の盛り上げを目的とした企画として、9名の著名人や有名人が特別枠で出場し、全員が無事フルマラソンを完走しました。俳優の和田正人氏が2時間57分59秒で最も速くゴールしました。
日本テレビの番組企画として、応募したアナウンサーのうち抽選を通過した12名が出場し、うち11名が完走しました。これら著名人やアナウンサーの特別出場については、一部週刊誌などから、大会がテレビ局主導のイベントと化しているのではないかとの批判的な指摘も挙がりました。
政治家の鈴木宗男衆議院議員は、家族との誓約書があったにもかかわらず、極秘にエントリーして出場を強行。3時間57分11秒で完走したことが話題となりました。

この大会は、前回からの改善が図られ、多くの市民ランナーが参加し、沿道にも多数の観客が集まるなど、都市型マラソンとしての基盤を固める一歩となりました。同時に、大規模イベントならではのメディア露出や企画に対する様々な意見も出されました。

もう一度検索