東京マラソン2010
東京マラソン2010は、通算4回目となる大会として、2010年2月28日に東京都内の日本陸上競技連盟公認コース（一部カテゴリーのみ）で開催されました。これまでの開催日程が見直され、初めて2月の最終日曜日に実施された点が特徴です。
大会規模においては、参加定員に変更がありました。フルマラソン部門は前回より2,000人増え、32,000人となりましたが、一方の10km部門は2,000人減の3,000人に縮小されました。参加申込期間が過去の半分に短縮されたにも関わらず、応募者総数は311,441人に達し、過去最多を更新しました。大会当日は多くの観客が沿道に詰めかけ、沿道人数116万人、関連イベント「東京大マラソン祭」の観客50万人を合わせ、合計166万人の人出となりました。
この大会の男子フルマラソンの部は、同年11月に中国・広州市で開催される第16回アジア競技大会の代表選手選考会としての役割も担いました。これは、その翌週に行われたびわ湖毎日マラソンと共に、重要な選考レースとして位置づけられていたためです。また、前回大会で初めて導入された賞金制度が、今大会でも継続されました。
参加資格については、基本的に前回大会と同様の基準が適用されました。フルマラソン部門の一般参加者は、大会当日時点で19歳以上であり、6時間40分以内に完走できる男女（障害者や大会推薦者を含む）が対象となりました。エリート部門は、日本陸上競技連盟に登録する競技者のうち、公認競技会で一定の記録を収めている者、または陸連が推薦する男女競技者に限られました。車いす部門は、レース仕様車を使用し、2時間10分以内に完走できる男女計25人が参加資格を得ました。
10km走のコースは、日本陸上競技連盟の公認を受けていなかったため、公式記録とはなりませんでした。一般参加者は、大会当日16歳以上で、1時間30分以内に完走できる男女（大会推薦者を含む）が対象でした。また、障害を持つ方々向けの枠も設けられ、車いす、視覚障害者、知的障害者、移植者がそれぞれ定められた制限時間（1時間30分または60分）内に完走することを目指し、カテゴリーごとに定員が設けられました（車いす25人、視覚障害者50人、知的障害者100人、移植者50人）。さらに、読売新聞グループと日本テレビには、メディア向けの特別枠が割り当てられました。
一般参加者の申込は、2009年8月1日から8月31日までの1ヶ月間、インターネットまたは郵便振替にて受け付けられました。定員を超過した場合は、抽選によって参加者が決定される方式がとられました。
大会の放送は、日本テレビをはじめとする読売新聞グループの各メディアで行われました。日本テレビでの地上波生中継は2008年大会以来となり、中継体制も基本的に同年のフォーマットが踏襲されました。しかし、大会開催時間中にチリ地震に伴う大津波警報・津波警報が日本に発表されたため、異例の対応がとられました。中継番組の途中で緊急警報放送が挿入されたほか、画面のほぼ全面にわたって津波情報を示すL字画面が表示され続けました。当時の地上アナログ放送では、この影響により16:9のレターボックスサイズで放送されました。CS放送の日テレG+では長時間にわたる生中継が、BS日テレではダイジェスト版が放送されました。ラジオでは、RFラジオ日本が選考会の部を生中継しました。
今大会で特筆すべき出来事として、男子フルマラソンのレース結果が挙げられます。藤原正和選手が自身3度目のマラソンで初めて優勝を果たし、2位には同じ姓を持つ藤原新選手が入るという珍しい同姓ワンツーフィニッシュとなりました。3位は佐藤敦之選手、そして一般参加から出場した川内優輝選手が4位に食い込む健闘を見せました。また、大会開催中にチリ地震による津波警報が発令されたことは、大きな出来事でした。津波の日本への到達予想時刻がレース時間と重なり、ゴール地点のある東京湾岸にも津波警報が出されたことから、大会の継続が懸念されました。しかし、実行委員会は予想される津波の高さやゴール周辺の海抜を検討した結果、レースを決行することを決定しました。この判断に対して、当時の防災担当大臣であった中井洽氏が、「警報を出しても意味がないということになると、次回の警報が信用されなくなる」と懸念を示し、津波警報の信頼性を損ねかねないとの見解を示唆しました。これに対し、東京都知事であった石原慎太郎氏は「大臣がああいうばかなこと言わない方がいい。東京が十全な努力で判断をしてやってるんだ」と強く反論し、大会側の判断を擁護しました。この津波警報の影響により、当日、東京湾周辺でマラソン応援者を輸送する予定だった屋形船が全便欠航となりました。
関連イベントの東京マラソンEXPO 2010は、19時30分まで会場への入場が可能でした。
第4回東京マラソンは、参加規模の拡大やアジア競技大会選考会という重要な側面を持ちながらも、自然災害への対応とそれに伴う議論という異例の事態を含む、記憶に残る大会として位置づけられます。
大会規模においては、参加定員に変更がありました。フルマラソン部門は前回より2,000人増え、32,000人となりましたが、一方の10km部門は2,000人減の3,000人に縮小されました。参加申込期間が過去の半分に短縮されたにも関わらず、応募者総数は311,441人に達し、過去最多を更新しました。大会当日は多くの観客が沿道に詰めかけ、沿道人数116万人、関連イベント「東京大マラソン祭」の観客50万人を合わせ、合計166万人の人出となりました。
この大会の男子フルマラソンの部は、同年11月に中国・広州市で開催される第16回アジア競技大会の代表選手選考会としての役割も担いました。これは、その翌週に行われたびわ湖毎日マラソンと共に、重要な選考レースとして位置づけられていたためです。また、前回大会で初めて導入された賞金制度が、今大会でも継続されました。
参加資格については、基本的に前回大会と同様の基準が適用されました。フルマラソン部門の一般参加者は、大会当日時点で19歳以上であり、6時間40分以内に完走できる男女（障害者や大会推薦者を含む）が対象となりました。エリート部門は、日本陸上競技連盟に登録する競技者のうち、公認競技会で一定の記録を収めている者、または陸連が推薦する男女競技者に限られました。車いす部門は、レース仕様車を使用し、2時間10分以内に完走できる男女計25人が参加資格を得ました。
10km走のコースは、日本陸上競技連盟の公認を受けていなかったため、公式記録とはなりませんでした。一般参加者は、大会当日16歳以上で、1時間30分以内に完走できる男女（大会推薦者を含む）が対象でした。また、障害を持つ方々向けの枠も設けられ、車いす、視覚障害者、知的障害者、移植者がそれぞれ定められた制限時間（1時間30分または60分）内に完走することを目指し、カテゴリーごとに定員が設けられました（車いす25人、視覚障害者50人、知的障害者100人、移植者50人）。さらに、読売新聞グループと日本テレビには、メディア向けの特別枠が割り当てられました。
一般参加者の申込は、2009年8月1日から8月31日までの1ヶ月間、インターネットまたは郵便振替にて受け付けられました。定員を超過した場合は、抽選によって参加者が決定される方式がとられました。
大会の放送は、日本テレビをはじめとする読売新聞グループの各メディアで行われました。日本テレビでの地上波生中継は2008年大会以来となり、中継体制も基本的に同年のフォーマットが踏襲されました。しかし、大会開催時間中にチリ地震に伴う大津波警報・津波警報が日本に発表されたため、異例の対応がとられました。中継番組の途中で緊急警報放送が挿入されたほか、画面のほぼ全面にわたって津波情報を示すL字画面が表示され続けました。当時の地上アナログ放送では、この影響により16:9のレターボックスサイズで放送されました。CS放送の日テレG+では長時間にわたる生中継が、BS日テレではダイジェスト版が放送されました。ラジオでは、RFラジオ日本が選考会の部を生中継しました。
今大会で特筆すべき出来事として、男子フルマラソンのレース結果が挙げられます。藤原正和選手が自身3度目のマラソンで初めて優勝を果たし、2位には同じ姓を持つ藤原新選手が入るという珍しい同姓ワンツーフィニッシュとなりました。3位は佐藤敦之選手、そして一般参加から出場した川内優輝選手が4位に食い込む健闘を見せました。また、大会開催中にチリ地震による津波警報が発令されたことは、大きな出来事でした。津波の日本への到達予想時刻がレース時間と重なり、ゴール地点のある東京湾岸にも津波警報が出されたことから、大会の継続が懸念されました。しかし、実行委員会は予想される津波の高さやゴール周辺の海抜を検討した結果、レースを決行することを決定しました。この判断に対して、当時の防災担当大臣であった中井洽氏が、「警報を出しても意味がないということになると、次回の警報が信用されなくなる」と懸念を示し、津波警報の信頼性を損ねかねないとの見解を示唆しました。これに対し、東京都知事であった石原慎太郎氏は「大臣がああいうばかなこと言わない方がいい。東京が十全な努力で判断をしてやってるんだ」と強く反論し、大会側の判断を擁護しました。この津波警報の影響により、当日、東京湾周辺でマラソン応援者を輸送する予定だった屋形船が全便欠航となりました。
関連イベントの東京マラソンEXPO 2010は、19時30分まで会場への入場が可能でした。
第4回東京マラソンは、参加規模の拡大やアジア競技大会選考会という重要な側面を持ちながらも、自然災害への対応とそれに伴う議論という異例の事態を含む、記憶に残る大会として位置づけられます。
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