東京マラソン2017

「東京マラソン2017」は、通算11回目の開催となった市民マラソン大会です。2017年2月26日に、日本陸上競技連盟公認コース（一部カテゴリーのみ）を含む東京都内のコースで行われました。主催は、東京都および日本陸上競技連盟によって設立された「一般財団法人東京マラソン財団」で、同財団が主催するのは7度目となります。

この年の大会は、コースレイアウトが大幅に見直された点が大きな特徴です。特にフルマラソンのゴール地点は、これまでの10回大会で使用されてきた東京ビッグサイトから、新たに東京駅前・行幸通りへと変更されました。

参加者の定員は、前回大会と同様の合計36,000人と設定されました。内訳は、フルマラソンが35,500人、10km走が500人です。フルマラソンの定員に関しては、ロンドンで開催される世界陸上競技選手権大会の代表選考を兼ねる「エリート枠」（男子のみ100人）に加え、2020年のオリンピックに向けた選手育成を目的に財団が設けた「準エリート枠」（3,000人）、10万円以上の寄付を行った個人を対象とする「チャリティー枠」（3,000人、先着順）、公式会員組織「ONE TOKYO」のプレミアムメンバー枠（3,000人、ソロ2,000人・ペア500組1,000人）が設けられ、これらを除く一般参加枠は26,370人でした。

一般参加枠への申込者数は過去最高を更新し、312,459人（倍率12.2倍）に達しました。また、特定の対象者に限定された10km走への申込者数は1,244人（倍率3.1倍）でした。

競技としての側面では、男子フルマラソンの部が「第101回日本陸上競技選手権大会」を兼ねて実施されました。また、2016年12月の福岡国際マラソン、2017年3月のびわ湖毎日マラソンとともに、第16回世界陸上競技選手権大会（ロンドン世界陸上）の代表選考競技会の一つとして位置づけられました。大会のスタート合図は、当時の東京都知事である小池百合子氏が行いました。

参加資格は基本的に前回大会から大きな変更はありませんでしたが、各カテゴリーに応じた細かな条件が定められていました。

フルマラソンの部には、大会当日に満19歳以上で、6時間40分以内に完走可能な一般の男女や、障害のある方、大会が推薦する国内外の選手が参加できました。エリート枠は、日本陸上競技連盟に登録している競技者で、定められた記録をクリアした選手、または陸連が推薦する選手が対象となりました。準エリート枠は、財団が定める基準を満たし、提携する国内マラソン大会主催者からの推薦を受けた選手や、基準を満たした海外の選手（指定大会の記録証を添付して自薦）が参加可能でした。車いすの部には、レース仕様車を使用し、2時間10分以内の完走を目指す男女合計25人が参加しました。

10km走のコースは陸連による公認を受けていないため、公式記録としては扱われません。このカテゴリーは年齢や対象者によって細分化されており、U-18（1998年2月27日から2001年2月26日生まれ、1時間30分以内完走、合計275人、一部に東日本大震災復興支援枠）、視覚障害者（2001年2月26日までに生まれ、1時間30分以内完走、合計50人）、知的障害者（2001年2月26日までに生まれ、1時間30分以内完走、合計100人）、移植者（2001年2月26日までに生まれ、1時間30分以内完走、合計50人）といったカテゴリーがありました。10km走の車いす部門は、2001年2月26日までに生まれ、レース仕様車を使用し、35分以内という比較的厳しいタイム条件で完走可能な男女合計25人が参加対象となりました。

一般参加の申し込みは、2016年 8月1日から8月31日までの期間、インターネットを通じて受け付けられました。定員を大幅に超える応募があったため、参加者の決定は抽選によって行われました。

大会の模様は様々なメディアで放送されました。テレビ中継については、前年からのローテーション見直しにより、2年連続で日本テレビ系列（NNS）が地上波での中継を担当しました。ただし、市民マラソンの部は完全中継ではなく、12時45分で生中継が終了しました。衛星放送では、日テレジータスが車いすの部と市民マラソンゴールまでを完全中継し、BS日テレでは車いすの部と大会全体のハイライトが放送されました。ラジオではRFラジオ日本が選考会の部を生中継しました。海外では、アメリカのNBCSNやユーロスポーツなどでも放送されました。

この大会では、落語家の林家たい平氏がフルマラソンに挑戦し、5時間58分32秒で完走したことが話題となりました。この挑戦の様子は、氏が出演する同日の『笑点』でも放送されました。林家氏は前年の『24時間テレビ』でチャリティーランナーとしてマラソンを完走した経験がありました。

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