東京基督教短期大学

東京基督教短期大学（とうきょうきりすときょうたんきだいがく、略称：TCC）は、かつて日本の千葉県印西市に本部を置いていた私立短期大学です。学校法人東京キリスト教学園によって運営され、キリスト教に基づいた専門教育を行いました。1966年に設置され、1993年に閉学するまで、短いながらも独自性の高い歴史を持ちました。

沿革

本学のルーツは、1950年に開校した日本同盟聖書学院に遡ります。短期大学としての歴史は、1966年4月1日に東京都国立市にて、東京キリスト教短期大学として開始されました。開学当初は神学科のみで、修業年限は昼間部の3年間、入学定員は30名という構成でした。1969年には、より専門的な学びを深めるための専攻科（神学専攻、定員10名）が設置されました。神学科は1980年に神学専攻と教会音楽専攻の二つの専攻課程に再編されます。そして、1981年4月1日には、校名を東京基督教短期大学と改称しました。

国立市のキャンパスは1988年度まで使用され、1989年4月1日には校地を千葉県印西町（当時、現・印西市）へ移転しました。この1989年度が、短期大学として学生募集を行った最後の年となりました。以降、在籍学生数は減少の一途をたどり、1992年度にはわずか2名となりました。そして、1993年11月30日をもって、正式に廃止されました。

教育と特色

教育の中核を担っていたのは神学科で、キリスト教や聖書に関する専門科目がカリキュラムの基盤でした。神学専攻では、『実践神学演習』などを通して幅広い神学知識と実践を学び、教会音楽専攻では宗教音楽に特化した教育が行われました。特に注目すべきは、本学の神学科が全国の短期大学で唯一、修業年限を3年としていた点です。これは、より時間をかけて専門分野を深く学ぶ機会を提供するためでした。また、1年制の専攻科（神学専攻）も設置されており、ここで学ぶことで4年制大学に比肩する高度な教育を受けることも可能でした。

本学は日本同盟基督教団を母体とする神学校としての性格が強く、学風にもそれが反映されていました。また、1学年の定員が30名と、全国の短期大学の中でも極めて小規模な運営形態をとっていたことも大きな特徴です。学生は全員が寮での生活を義務付けられるという、厳格ながらも共同体を重視する環境でした。

施設と学生生活

開学から1988年度までは東京都国立市のキャンパスを使用していましたが、1989年度からは千葉県印西市のキャンパスに移転しました。どちらのキャンパスにおいても、神学科および専攻科の学生が学びました。全寮制の導入は、学園生活における共同体意識の醸成と信仰教育の徹底を目的としていたと考えられます。

卒業後の進路

卒業生は、その専門性を活かして牧師や宗教家として教会で奉仕する道を選んだり、キリスト教関連の音楽活動に携わったりする者が多かったようです。さらなる学びを深めるため、短期大学に設けられていた専攻科へ進学する道が開かれていたほか、西南学院大学神学部をはじめとする他大学の神学系学部へ編入学する者もみられました。

その他

本学のカレッジマークは、キリスト教の根幹であるイエス・キリストの十字架と聖書を象徴するデザインでした。研究活動としては、『東京キリスト教短期大学論集』が刊行されていました。著名な出身者としては、声楽家の新垣勉氏などがいます。

東京基督教短期大学は、短い存続期間ではありましたが、全国唯一の3年制神学科や極めて小規模な運営、全寮制といったユニークな特色を持ち、特定の分野で専門的な人材育成に貢献した短期大学でした。閉学後は、その教育理念の一部は関連機関に引き継がれていると考えられます。

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