東京大学の進学選択

東京大学の進学選択制度

東京大学の進学選択制度は、教養学部前期課程において学生が学びたい学科を選ぶための重要な仕組みです。かつては「進学振分け」として知られていましたが、2015年に改名されました。この制度は、主に2年生の前半が終わった時点で進学する学部・学科の内定を決定します。

内定のプロセス

進学先の学部・学科は、学生が所属する科類によって決定されており、具体的には以下のように分かれています。

• - 文科一類: 法学部
• - 文科二類: 経済学部
• - 文科三類: 文学部、教育学部
• - 理科一類: 理学部、工学部（および一部農学部、薬学部など）
• - 理科二類: 農学部、薬学部（および一部理学部、工学部、医学部医学科、健康総合保健科学科など）
• - 理科三類: 医学部医学科

加えて、教養学部後期課程に関しては、成績次第で他の科類からも進学が可能です。また、文理間の転科も許可される場合があります。このように、2008年度からはすべての学部に進学可能な枠が設けられ、成績に基づいて選考が行われるようになりました。

講義と降年制度

進学内定を受けた学生は、2年生の後半から主に内定した学部の講義を受講しますが、一部の学部は早くから講義をスタートします。一方で、内定が得られなかった場合は「降年」と呼ばれる制度により、再度1年生の後半の講義に戻ることになります。これは留年とは異なり、同じ学年に留まる留年ではなく、特定のプロセスを経た結果です。

制度の評価と課題

この進学選択制度は、学生が幅広い進路選択を可能にすることで多様性を提供していますが、一方で成績競争や希望の学科に進めない学生が出るなどの課題も抱えています。教養科目の充実を求める専門学部の教員からは、前期課程の廃止と専門教育の早期導入を求める意見もありますが、教養学部はこの点に関しては強く反対しています。

他大学の類似制度

他の大学でも類似の制度が存在します。例えば、北海道大学では修士課程への進学を一年修了後に行う「移行制度」が採用されています。また、東京工業大学では入学時に学院に割り当てられ、2年目から個別の系に進むシステムがあります。さらに、京都大学や名古屋大学、大手私立大学の学部でも、入学後に進学先を選ぶ流れが見られます。

このように、東京大学の進学選択制度は、学ぶ自由度と競争の両面を持っており、学生にとって重要なステップとなる制度です。

もう一度検索