東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構（通称：ISAS）は、東京都西東京市にあり、農業分野における研究と教育を推進する重要な組織です。この機構は、田無演習林を含む広大な敷地を持ち、耕地、森林、温室、果樹園など、多様な研究教育施設が整備されています。

機構の設立と施設

ISASは2010年に農場と緑地植物実験所を統合し、演習林の教育研究機能を含めて新たに設立されました。施設は30ヘクタール以上の面積を占め、多くの農学部の専修で学生実習が行われています。ここでは、安全作業を始め、生態調査や作物栽培の実地教育が行われており、学術的な知識と実践を結びつける重要な役割を果たしています。

2019年には、都道による新たなインフラ整備が進行し、持続可能な農業の実現に向けたキャンパスの再整備が始まりました。新本館となる総合研究実験棟の建設が続けられており、これによりさらなる研究活動が期待されています。

活動領域

ISASでは様々な研究領域が設けられており、主なものは以下の通りです。

1. 情報・社会研究領域: 農林業と社会との関係を、食品安全、環境保全、景観形成といった観点から分析します。
2. 農林生態系研究領域: 農林生態系における生態系サービスの評価と持続可能な管理手法の開発に取り組んでいます。
3. 生物・物質循環研究領域: 物質循環の視点から、生物の機能や物質の動きを探求しています。

これらの研究に基づき、持続可能な農業の実現を目指し、さまざまな課題に取り組んでいます。

田無演習林の特徴

田無演習林は9.1ヘクタールの面積を持ち、武蔵野台地に位置しています。この場所は森林のバイオ多様性が豊かで、アカマツ、コナラ、クヌギを中心に多様な植生が見られます。林内には多様な低木、生草が自生しており、武蔵野の自然環境を再現しています。特にこの地域は都市林としての価値が高まり、多くの貴重な生態系が保全されています。

見学・利用について

西東京フィールドや田無演習林は、一般の人々に向けて見学が可能で、火曜日から金曜日の間に公開されています。団体での見学を希望する場合は、事前の申し込みが必要です。また、農場博物館やハス見本園も見学可能で、それぞれの特定の開館日に訪れることで、農業の歴史や植物の多様性に触れることができます。

このように、東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構は、教育と研究の域を超え、地域社会や環境との関係を見直し、持続可能な農業の展開に寄与することを目指しています。

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