東京女子大学短期大学部

東京女子大学短期大学部の概要

東京女子大学短期大学部（とうきょうじょしだいがくたんきだいがくぶ）は、日本の私立大学として1950年に設立され、1992年に廃止された教育機関です。本部は東京都三鷹市の牟礼に所在し、略称として「東短（トンタン）」が使用されました。短期大学としては全国で初めて文部省に認可された149校の一つであり、設立当初から特有の教育方針を持っていました。

誕生と発展

1949年に短期大学設置の申請を行い、翌年に正式に開学しました。当初は国語科、英語科、数理科、体育科の4学科体制でスタートしましたが、1960年には少子化の影響で3学科が廃止され、最終的には2学科という体制に変わりました。その後、教養科が新設され、英語科と教養科という2つの学科で学生を受け入れる形となりました。

短期大学の在籍者数は最も多い時期で1,000人を超え、一定の規模を保っていましたが、1987年度の入学生を最後に、短期大学としての役割を終えました。

教育理念とカリキュラム

この短期大学部は、実用的な職業教育よりも教養を重視する「資格取得皆無という教養主義」を強調していました。特に教養科には、心理学や生物学、社会学、文化人類学などの人間理解を深めるための科目が用意されていました。現代社会を理解するための科目は、社会学や法学を基にしたコースから学ぶことができました。

学風と特色

東京女子大学短期大学部は、職業教育ではなく、深い教養を身に付けることを目的とした独自の教育スタイルが特徴的でした。一時は教職課程も設けられており、中学校や高等学校の教諭免許状を取得するための学習も可能でしたが、数年後にその課程は廃止されました。

沿革とキャンパス

この大学は、東京都三鷹市に移転後、独自のキャンパスを持つようになりました。しかし、維持費の高騰などの理由から、大学の建物は2005年に整理され、法政大学に売却されました。その後、東京女子大学の短期大学部に関する施設はすべて取り壊され、現在は跡地に新たな教育機関が設立されています。

卒業生とその進路

この大学を卒業した学生たちは、多くの一般企業に就職しています。特に、東京海上火災や三井物産、日本銀行などの企業に進む傾向があり、学科に関わらず高い評価を受けていました。また、卒業後は東京女子大学への編入学を選ぶ学生も多く、他大学への進学も見られました。

まとめ

東京女子大学短期大学部は、独自の理念と教育方針で多くの学生に教養を提供してきた教育機関でした。廃止後もその legacy（遺産）は、大学の卒業生や業界内での影響として受け継がれています。現在は無くなってしまったとはいえ、その存在は日本の教育史において重要な役割を果たしていました。

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