東京工業大学博物館

東京工業大学博物館の概要

東京工業大学博物館は、東京工業大学に附属する大学博物館であり、教育や研究の成果を保存・展示することによって、広く社会に発信することを目的としています。この博物館は大岡山キャンパスにある百年記念館およびすずかけ台キャンパスの分館から構成されています。

沿革

この博物館は、東京工業大学の創立100周年を記念して設立されました。百年記念館の建設は、東京工業大学の歴史の中での重要性を示すために、大学が所有する研究機器や成果を集める構想から始まりました。1997年には百年記念館がオープンし、展示や資料を通じて工業教育と理工学界での位置づけを明らかにする活動が進められました。

開設当初は、一部のスペースが博物館として利用されていました。しかし、収蔵品の増加に伴い、定期的に特別展示を行うなど博物館としての機能が次第に充実していきました。2010年度には、2階の会議室が展示室に改造され、さらに展示スペースが拡充されました。この改装により、東京工業大学の沿革や代表的な研究成果が紹介されるユニークなスペースが設けられ、2010年度の改装はグッドデザイン賞を受賞しています。

博物館の設立準備は2010年に始まり、2011年には文部科学省から公式に博物館相当施設に指定されました。初代館長には大倉一郎が就任し、続いて同年10月には飯塚久夫が第2代館長に就任しました。

建物について

東京工業大学博物館の建物は、篠原一男が設計し、1987年に完成しました。地下1階、地上4階の構造で、鉄筋コンクリートと一部鉄骨で造られています。外装にはステンレススチールとアルミニウムが用いられ、ユニークな半円柱のデザインが特徴的です。この半円柱面は、大学と周辺地域とのコミュニケーションの象徴となるように設計されています。

建築の概要

• - 建築面積: 760.30 m²
• - 延床面積: 2687.02 m²
• - 階数: 地下1階・地上4階・塔屋1階
• - 設計者: 篠原一男
• - 建設費: 8億3000万円

展示資料について

博物館には、約600点の実物資料と約6200点の文献資料が所蔵され、一部が一般公開されています。展示空間は地下1階と2階に設けられており、こちらでは多彩なテーマに基づいた展示が行われています。

地階展示室

地階の特別展示室Aでは、陶磁器研究や化学工学、東京工業大学出身の著名な工芸作家の作品などが紹介されます。一方、特別展示室Bでは、初期のスーパーコンピュータやスターリングエンジンなど、技術遺産に関する展示が行われています。

2階展示室

2階の展示室では、「東京職工学校創設〜新制東工大の発展」や「電気〜光／通信の先端研究史」など、東京工業大学の歴史に焦点を当てた展示が充実しています。ここでは、歴代校長に関する資料や、先端技術に関連する研究成果が展示され、訪問者にとって教育的価値の高い内容となっています。

また、資料としての鉱物標本や化石、そして百年記念館の模型も展示され、東京工業大学の長い歴史とその成果を感じることができます。全体として、東京工業大学博物館は理工系教育の重要な拠点であり、広く教育普及と研究の成果を社会へ発信する場となっています。

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