東京流れ者

東京流れ者（とうきょうながれもの）

『東京流れ者』とは、日本の歌謡曲とその映画を指す作品であり、深い歴史を持つ文化的な象徴となっています。この曲は、作曲者が特定されていない伝承歌が原曲となっており、1965年に竹越ひろ子と松方弘樹によって、異なる歌詞のレコードがリリースされました。松方弘樹の盤は『関東流れ者』という題名でした。

翌1966年には、渡哲也が主演した同名の映画が公開され、同時に彼の歌唱によるシングルも販売されました。その結果、渡の録音は38万枚のセールを記録しました。また、渡哲也は1971年にも自らのバージョンを録音し、歌詞が異なるセルフカバーを発表しています。これ以外にも、藤圭子や西田佐知子など、他のアーティストもこの曲をレパートリーに加えています。

歌謡曲のリリース情報

• - 竹越ひろ子盤 (Kings BS-275、1965年)

作詞：永井ひろし、編曲：桜田誠一、曲名：『東京流れもの』

• - 松方弘樹盤 (コロムビア SAS-593、1965年)

作詞：石本美由起、編曲：土田啓四郎、曲名：『関東流れ者』

• - 渡哲也盤 (クラウンレコード CW-463、1966年)

作詞：川内和子、編曲：小杉仁三、他にも1971年に異なる歌詞で自作を再録音しています。

• - 藤圭子盤 (RCA JRT-1077、1970年)

作詞：石坂まさを、B面に収録され、名曲集にも含まれています。

この曲の影響は多岐に渡り、1984年にはテレビドラマ『スクール☆ウォーズ』のキャラクターがたびたび口ずさむ場面がありました。

映画『東京流れ者』

映画は1966年4月に公開され、上映時間83分、日活制作で鈴木清順が監督を務めました。物語は、あるヤクザ組織が解散して不動産会社に変わった後の抗争を描いています。組織の元組長は、敵対する組織からの脅威に直面し、そこへ元組員が自身の運命を背負う形で絡み合うストーリーが展開されます。

本堂哲也という主人公は、組織間の抗争を巡る過去と現在が交差しつつ、追い詰められる様子が描かれており、彼は東京を離れる決意をしますが、その道中でもさまざまな危険に晒され続けます。物語のクライマックスでは、哲也が恋人と別れを告げ、夜の街へと去るシーンが印象的です。

キャストとスタッフ

主なキャストには、渡哲也の他に松原智恵子、川地民夫、二谷英明らが顔を揃え、作品の中でそれぞれ個性的な役割を果たしています。また、監督を務めた鈴木清順は後に続編の製作を志望したと伝えられています。

映画『東京流れ者』は、その独特なメロディと歌詞、自身の物語性から、日本の歌謡文化および映画界において重要な存在であり続けています。

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