東京港野鳥公園

東京港野鳥公園について

東京港野鳥公園（とうきょうこうやちょうこうえん）は、東京都大田区東海三丁目に位置する都立の海浜公園です。この公園は、多数の野鳥が観察できる貴重な生息地として知られています。1978年4月に開園し、現在では年間約5万人が訪れる人気のスポットとなっています。公園は、東京都港湾局の管理下にあり、東京港野鳥公園グループが運営しています。

公園の概要

東京港野鳥公園は、大田市場に隣接し、湾岸道路や首都高速道路に囲まれた場所にあります。面積は約36ヘクタールあり、多様な環境が整備されています。この公園では、5月と11月に「東京港野鳥公園フェスティバル」が開催され、野鳥愛好者にとって特別なイベントとして楽しみです。公園の設立は、1967年に山階芳麿が著書『鳥の減る国ふえる国』でバードサンクチュアリの重要性を提唱したことに遡ります。

東京港野鳥公園は、亜熱帯気候の要素がある埋立地に自然豊かな環境が形成されています。雨水を貯めた池とその周辺の植生が多様な野鳥を魅了し、観察会や市民運動の成果として造成されました。公園は、第一期として1978年に開園し、その後第二期を経て、ますます充実した施設となりました。

歴史的な背景

この公園が設立された背景には、1966年から1970年にかけて東京都港湾局が流通施設用地として造成した埋立地があります。その後、自然に形成された池や草原が野鳥を引き寄せ、地域住民の自然保護運動が始まりました。東京都は、渡り鳥の重要な中継地点である東京湾の保護を目的として、サンクチュアリの設置を決定し、1978年には「大井第七ふ頭公園」としてオープンしました。しかし、利用者の声を受けて1989年には「東京港野鳥公園」として拡大しました。

2000年には、国際的にシギ・チドリ類の重要生息地として認定され、2018年には干潟の面積が約3倍に拡張されました。これにより、訪問者はより多くの野鳥を観察できるようになりました。

施設と環境

東京港野鳥公園内では、河川の生態系が復元されており、開園以来210種類以上の野鳥が観察されています。入園するには、管理事務所で入園券を購入します。公園は東側エリア（東園）と西側エリア（西園）に分かれており、移動する際にはエリアを出る必要がありますが、スムーズに移動すれば再度の入園券の購入は不要です。

公園内にはネイチャーセンターや観察小屋があり、望遠鏡を利用して野鳥を観察することができます。東側エリアには芝生広場や東淡水池、潮入りの池があり、特にこの潮入りの池はバードウォッチングの名所として知られています。

西側エリアでは、西淡水池や自然生態園があり、自然学習センターが整備されています。自然生態園では昔の農村の風景が再現され、小川や田畑が設けられています。

開園情報とアクセス

公園の定休日は月曜日（祝日の場合は翌日）および年末年始です。開園時間は、2月から10月は午前9時から午後5時まで、11月から1月は午前9時から午後4時30分までとなっており、入園は閉園30分前まで可能です。また、専用の無料駐車場があり、最大40台まで駐車可能です。

公園へのアクセスは、都バスや京急バス、東京モノレールを利用することができます。周辺には、東京都中央卸売市場や、大井ふ頭などの施設も点在しており、観光と合わせて訪れるのにも適した場所です。

東京港野鳥公園は、自然観察を楽しみたい方々にとって、見逃せないスポットです。

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