東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所

東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所

東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所は、東京科学大学に附置された研究所であり、分子科学を軸に化学と生命科学の領域を統合的に研究し、新しい物質や技術を生み出すことを目的としています。

概要

研究所の歴史は、1939年（昭和14年）に東京工業大学（旧制）に設置された資源化学研究所に遡ります。これは、当時の建築材料研究所所長であった加藤与五郎教授が、アルミナ製法の特許収入を大学に寄付したことがきっかけとなり、昭和天皇の勅令によって設立が決定されました。その後、1944年には燃料科学研究所が設立されましたが、1954年に資源化学研究所に統合されました。

1977年には長津田キャンパス（現在のすずかけ台キャンパス）に移転し、1990年には同キャンパスに生命理工学部が設置され、1992年には大学院生命理工学研究科が設立されました。長年にわたり資源化学研究所として活動してきましたが、2016年4月に東京工業大学科学技術創成研究院化学生命科学研究所へと改組され、科学技術創成研究院という新たな組織に所属することになりました。この改組により、研究領域の拡大、社会問題の解決、未来の産業基盤の育成をミッションとして掲げ、生命科学分野も重要な柱の一つとなりました。2024年10月には、東京科学大学の発足に伴い、現在の名称である東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所へと改称されました。

研究所では、「分子創成化学」「分子組織化学」「分子機能化学」「分子生命化学」の4つの研究領域を設け、物質、資源、エネルギー、医療、生命科学など幅広い分野における研究に取り組んでいます。

物質・デバイス領域共同研究拠点

2009年6月より、東北大学多元物質科学研究所、北海道大学電子科学研究所、大阪大学産業科学[[研究所]]、九州大学先導物質化学研究所と共に、文部科学省の共同利用・共同研究拠点ネットワーク型「物質・デバイス領域共同研究拠点」に指定されています。この枠組みの中で、東京科学大学化学生命科学研究所は物質組織化学領域を担当し、分子組織体、生体材料、触媒、機能物質に関する共同研究を推進しています。特に「環境エネルギー物質・デバイス・プロセスプロジェクトグループ」を主導し、他機関と協力しながら、この分野の新たな研究領域を開拓しています。

教育

東京工業大学では、2016年度以降、学部と大学院が一体となった「学院」制度が導入され、東京科学大学発足後もこの体制が維持されています。化学生命科学研究所の教員は、東京科学大学物質理工学院化学系応用化学コース、エネルギーコース、生命理工学院生命理工学系ライフエンジニアリングコースなどに所属しており、大学院入試もこれらのコースに準じて実施されます。

脚注

2021　化学生命科学研究所 要覧 (PDF)

関連項目

ケミカルバイオロジー
大学連携研究設備ネットワーク

外部リンク

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