東京科学大学総合研究院生体材料工学研究所

東京科学大学 総合研究院 生体材料工学研究所について

東京科学大学総合研究院生体材料工学研究所は、東京科学大学に附置された研究所です。この研究所は、疾病を分子レベルで制御するための生体材料、生体デバイス・システム、医薬品を創製することを目的としています。

設立と歴史

その起源は、1938年（昭和13年）に東京高等歯科医学校に設置された歯科材料研究室に遡ります。当初は金属義歯の研究が行われていましたが、1945年（昭和20年）の戦火により研究室は壊滅的な被害を受けました。

戦後の歯科医療においては、治療機器や材料の性能が非常に重要でしたが、当時の国産歯科器材は品質面で大きな課題がありました。このような状況を鑑み、1951年（昭和26年）に東京医科歯科大学に昇格した際、長尾優学長は歯学領域における理工学部門の充実を強く要望し、歯科材料研究所の設立に至りました。

1966年（昭和41年）には、研究対象を歯科器材だけでなく医用器材にも広げるため、医用器材研究所へと改称されました。その後、1999年（平成11年）に生体材料工学研究所へと名称が変更され、2024年（令和6年）10月には、東京医科歯科大学と東京工業大学の統合に伴い、現在の東京科学大学 総合研究院 生体材料工学研究所に改組されました。

研究組織

当初は歯科材料を主な対象としていましたが、現在では電気機器、人工臓器、医用器材、生体工学へと研究領域を拡大しています。2020年現在、4つの研究部門と12の研究分野、1つのプロジェクト研究部門、そして1つの附属施設が設置されています。

研究部門

医療基盤材料部門
金属生体材料学分野
無機生体材料学分野
有機生体材料学分野
生体機能修復部門
生体材料機能医学分野
物質医工学分野
バイオメカニクス分野
バイオデザイン分野
医療デバイス部門
バイオエレクトロニクス分野
バイオ情報分野
センサ医工学分野
生体機能分子部門
メディシナルケミストリー分野
生命有機化学分野
薬化学分野

附属施設

医歯工連携実用化施設

生体医歯工学共同研究拠点

当研究所は、2016年より東京工業大学未来産業技術研究所、広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所、静岡大学電子工学研究所と連携し、「生体医歯工学共同研究拠点」を形成しています。この拠点は文部科学省の共同利用・共同研究拠点ネットワーク型に指定されており、生体材料、医療用デバイス、医療システムなどの実用化を促進するための共同研究を推進しています。

特異構造金属・無機融合高機能材料開発共同研究プロジェクト

東北大学金属材料研究所、東京工業大学フロンティア材料研究所、名古屋大学未来材料・システム研究所、大阪大学接合科学[[研究所]]、早稲田大学ナノ理工学研究機構との共同研究プロジェクトも行っています。このプロジェクトでは、特異構造を持つ高機能な金属と無機材料を創製し、環境・エネルギー材料、エレクトロニクス材料、生体・医療材料としての応用を目指しています。

教育

東京科学大学大学院医歯学総合研究科として、大学院生を受け入れています。博士課程には、医歯理工保健学専攻（理工系）と医歯学専攻（医歯系）があります。また、研究生の受け入れや同大学の学部教育も実施しています。

関連分野

ケミカルバイオロジー
医用生体[[工学]]

外部リンク

国立大学法人 東京科学大学 総合研究院 生体材料工学研究所

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