東京都交通局320形電車

東京都交通局320形電車

東京都交通局320形電車は、東京都のAGT（新交通システム）である日暮里・舎人ライナーに使用される車両です。この車両は、輸送力を強化するために2017年に新潟トランシスで製造された第1編成の21編成から成り立っています。外観デザインは従来の300形を基にし、ステンレス鋼を用いていますが、先頭部分の形状やカラーリングには変更が加えられ、より斬新でダイナミックな印象を与えています。1編成（5両）の製造費用は、2016年度のもので約5億500万円となっています。

車両の特徴

320形の車両構造は、2015年製の330形とは異なり、軽量化が非常に重視されています。ハウジングの内骨にアルミ材を使用するなど、多様な軽量化策を講じる一方、車両の強度を保つ設計がなされています。この結果、300形に比べて1両あたり約1トンの大幅な軽量化を達成しています。各車両には、片側に2か所外吊り式の両開きドアが設けられ、車内での開閉を知らせる予告ランプも取り付けられています。

先頭車両の前面下部には、LEDによる前照灯と尾灯が配置され、さらにアイライン灯も設置されています。また、熱線吸収UVカットガラスを用いた側窓により、内装の快適性も向上しています。外観は、荒川と隅田川沿いの自然環境をイメージしたエメラルドグリーンのラインで、爽やかな印象を与えつつ、全体的に落ち着いた色合いのデザインとなっています。

主な機器と性能

320形は、制御装置に300形及び330形と同じVVVFインバータ制御を採用しています。このユニット化された主変換装置（CI装置）によって、誘導電動機の効率的な制御が行われます。この編成では、全ての車両が電動車で構成されており、台車には4案内輪車軸ステアリング方式を採用し、各車両に電動台車と付随台車が装備されています。

車内の設備

320形における車内デザインは、乗車時の混雑を考慮してオールロングシート化が図られています。客室内は330形を踏まえつつ、荷棚の新設やつり手の増設が行われ、照明は面発光LED式が使用されています。また、客室扉の上部には、15インチの2画面カラー液晶ディスプレイが2か所配置されており、利用者への情報提供がスムーズに行えるよう設計されています。

ロングシートの腰掛けはバケットタイプが採用され、一般席はブルー、優先席はイエローに色分けされています。この他、車椅子やベビーカー向けのフリースペースが中間車の320-3形に2か所設けられており、バリアフリー対応にも配慮されています。

また、21編成の車両内にはユニークなゴリラのイラストが描かれた車両編成ステッカーが貼られており、利用者に親しみを与える工夫がなされています。

そして、これらの詳細な設計や機能は、東京都交通局の公式ウェブサイトや専門雑誌で確認することができます。地域の生活基盤の一部となるこの320形電車は、交通利便性の向上を図るための大きな一歩と言えるでしょう。

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