東京都立多摩総合医療センター

東京都立多摩総合医療センター：多摩地域の医療を支える総合病院

東京都立多摩総合医療センターは、東京都府中市武蔵台に位置する、都が設置する大規模な総合病院です。2010年3月、それまでの東京都立府中病院から全面移転、名称変更して誕生しました。現在は地方独立行政法人東京都立病院機構が運営しています。

多摩地域の中核を担う医療機関

多摩地域においては唯一の総合的な医療機能を持つ都立病院として、重要な役割を担っています。多くの診療科が設置され、難病や急性期の患者への対応を主軸に、地域医師からの紹介患者も数多く受け入れています。特に、救急医療に力を入れており、年間1万件を超える救急車の搬送を受け入れています。東京ERの一つである「東京ER・多摩」も併設しており、緊急度の高い患者の受け入れ体制も万全です。

充実した設備とアクセス

武蔵台の雑木林に囲まれた自然豊かな環境の中に位置し、東京都立神経病院、東京都立小児総合医療センターと同一敷地内に併設されています。その他、東京都立多摩がん検診センター、東京都立府中療育センターなども近隣にあり、医療関連施設が集積したエリアとなっています。

病院の建物は、2010年の移転開院に合わせて新築されました。東京都立小児総合医療センターと一体的に建設されており、建築面積21,950m²、延床面積129,715m²、1,350床という大規模な施設となっています。ドクターヘリ用のヘリポートを備え、地震対策として地下に免震構造を採用するなど、最新の設備と安全性を重視した設計となっています。また、環境にも配慮し、屋上やバルコニーの緑化なども行われています。施設内は禁煙で、喫煙スペースは限定されています。

アクセス面でも、西国分寺駅から徒歩圏内であり、京王バス、京王電鉄バス、コミュニティバスなども利用可能です。病院敷地内にはバスロータリーと待合室が整備されており、利便性も考慮されています。

歴史と発展

多摩総合医療センターの前身は、1946年に発足した国立健民保養所です。その後、1952年に東京都立府中病院として結核病院として開院し、1970年には救急医療を主体とする総合病院へと発展を遂げました。1990年には救命救急センターが開設され、2002年には「東京ER・府中」が開設されました。2010年の移転開院を経て、2022年には地方独立行政法人東京都立病院機構に移行しました。現在も、医療技術の進歩や地域ニーズの変化に対応すべく、設備の拡充やサービスの向上に努めています。

多様な指定医療機関としての役割

東京都立多摩総合医療センターは、多くの指定医療機関にも指定されており、幅広い医療ニーズに対応しています。具体的には、保険医療機関、労災保険指定医療機関、更生医療指定医療機関など、多くの指定を受けています。災害拠点病院、救命救急センターとしての役割も担っており、地域医療の中核を担う重要な医療機関です。

充実した院内設備とサービス

患者にとって快適な環境を提供するため、院内には様々な設備が整えられています。無料Wi-Fi、自動販売機、コインロッカー、レストラン、カフェ、コンビニエンスストア、ATMコーナー、理髪店などが設置されており、入院生活のサポートも充実しています。

東京ER・多摩

東京ER・多摩は、東京都が設置した三次救急施設であり、緊急度の高い患者の受け入れを優先します。救急診療科の医師が初期診療を行い、必要に応じて専門科への紹介や他の医療機関への転院が行われます。

付帯施設

東京都立府中療育センターも、2020年に隣接地に新設移転されました。重症心身障害児を含む障害児（者）への療育サービスを提供しており、入所、通所、通園、外来診療など、多様なサービスを提供しています。

東京都立多摩総合医療センターは、高度な医療技術と充実した設備、そして温かいおもてなしで、地域住民の健康を守り続ける重要な医療機関です。今後も、地域社会に貢献していくことが期待されています。

もう一度検索