東京都立大田ろう学校

東京都立大田ろう学校

東京都立大田ろう学校（とうきょうとりつ おおたろうがっこう）は、かつて東京都内に存在した公立の聾学校です。特に、聴覚に障害のある生徒に対して専門的な高等教育を行うことを目的とした、全国で初めての高等部単独の聾学校として開校した点に、その歴史的な意義があります。

学校は当初、東京都大田区田園調布にその校舎を構えていましたが、東京都が推進した特別支援教育に関する学校配置の再編計画に基づき、2006年に東京都練馬区へ移転しました。そして、都立ろう学校の統合・再編の流れの中で、2007年3月31日をもって約45年間の歴史に幕を閉じました。

沿革

本校の歴史は、1962年（昭和37年）4月1日に始まります。この開校は、高等部のみを設置する聾学校としては全国で初めての試みであり、当時の聴覚障害教育において、より専門的で高度な学習機会を提供するための画期的な一歩となりました。

開校当初は、3年制の普通科と2年制の専攻科が設置され、生徒たちはそれぞれの課程で、社会に出るために必要な知識、技術、コミュニケーション能力を培いました。長年にわたり、大田区田園調布の緑豊かな環境の中で、多くの生徒たちが学び舎を巣立っていきました。

しかし、東京都教育委員会が2004年に発表した「東京都特別支援教育推進計画」では、都立ろう学校の設置状況が見直され、再編・統合の方針が示されました。この計画を受け、東京都立大田ろう学校も閉校の対象となりました。

閉校に向けた準備が進められる中、長年親しまれた大田区田園調布の校舎における活動を終えるための閉舎式が2006年3月11日に執り行われました。そして、2006年4月1日には、校名は変更せずに、東京都練馬区高松にある東京都立石神井ろう学校の敷地内に仮移転し、最後の1年間を過ごしました。

そして、いよいよ閉校を迎えるにあたり、2007年3月17日には、多くの卒業生、教職員、保護者、地域関係者などが集まり、盛大な閉校式が開催されました。式典では、学校の歩みを見守り続けた校旗が、在校生代表から東京都教育委員会へと返納され、学校の歴史に一つの区切りがつけられました。正式な閉校日は、2007年3月31日となりました。

所在地

開校から2006年3月までの所在地は、東京都大田区田園調布5丁目43-6でした。
2006年4月から閉校までの所在地は、東京都練馬区高松6丁目17-1（東京都立石神井ろう学校敷地内）でした。

卒業生・教職員

本校が開校以来輩出した卒業生は、普通科が900名、専攻科が510名に上り、合計1410名の卒業生が社会に巣立ちました。最終学校長は、鈴木茂樹氏が務めました。

閉校後の事務

学校が閉校した後、その事務の引継ぎについては、同じく東京都内の都立ろう学校である東京都立中央ろう学校が担当しました。

関連情報

* 東京都特別支援学校一覧

閉校した現在、学校に関する詳細な情報は、東京都教育委員会の公式サイトなどで確認できる場合があります。

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