東京都立東部地域病院

東京都立東部地域病院：地域医療を支える基幹病院

東京都立東部地域病院は、東京都葛飾区に位置する、都立病院機構が運営する重要な医療機関です。1990年の開院以来、地域住民の健康を守るため、幅広い医療サービスを提供し続けています。

病院設立の背景と歴史

東京都の東部地域（墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区）は、他の地域に比べて病院が少ないという課題がありました。この状況を改善するため、東京都は1982年の長期計画において、東部地域と多摩南部にそれぞれ新たな病院を建設することを決定しました。

東部地域病院の建設は、地域住民への質の高い医療提供を目的として進められました。特に、循環器医療と救急医療は地域的に不足していたため、重点的に整備されました。亀有駅近隣にある三共亀有工場跡地が用地として選定され、1988年に着工、1990年に開院しました。当初は東京都と東京都医師会が出資する財団法人が運営主体でしたが、その後、東京都単独の出資による財団法人東京都保健医療公社、そして2022年には地方独立行政法人東京都立病院機構へと運営主体が移行しています。

幅広い診療体制と医療機関としての役割

東京都立東部地域病院は、地域医療を支える様々な役割を担っています。

エイズ診療協力病院: エイズ治療の拠点病院として、専門性の高い医療を提供しています。(1995年11月16日指定)
東京都災害時後方医療施設: 災害発生時には、後方支援医療体制の中核を担います。(1997年2月28日指定)
地域医療支援病院: 地域医療機関との連携を強化し、包括的な医療を提供しています。(1998年9月4日承認)
臨床研修病院: 医師の育成にも貢献し、質の高い医療水準の維持に努めています。(2003年10月1日指定)

さらに、救急告示医療機関、休日・夜間診療事業実施医療機関としての役割も担い、時間帯を問わず、地域住民の医療ニーズに対応しています。その他、労災保険指定医療機関、指定自立支援医療機関など、様々な保険制度にも対応しています。

先進医療への取り組み

東京都立東部地域病院は、先進医療にも積極的に取り組んでいます。「HDRA法又はCD-DST法による抗悪性腫瘍感受性試験」など、高度な医療技術を用いた治療を提供しています。この試験は、消化器がん、頭頸部がん、乳がん、肺がん、がん性胸・腹膜炎、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんといった様々な悪性腫瘍に対する治療効果を予測する上で非常に重要です。

アクセスと会計について

JR常磐線亀有駅から徒歩3分というアクセス抜群の立地も、この病院の大きな特徴です。また、亀有駅からは、はるかぜバスも利用可能です。

初診時に紹介状がない場合は、保険外併用療養費として5,000円の加算があります。院内にはりそな銀行のATMが設置されているため、現金の取り扱いも便利です。

まとめ

東京都立東部地域病院は、地域住民にとって身近で頼りになる医療機関として、地域医療の中核を担っています。充実した医療設備と高度な医療技術、そして地域との連携を強みに、これからも地域社会に貢献していくことでしょう。

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