東京都選定歴史的建造物

東京都選定歴史的建造物：東京の歴史を刻む建造物群

東京都選定歴史的建造物とは、東京都景観条例に基づいて選定された、歴史的価値の高い建造物です。これらの建造物は、東京の街並みを形作る上で重要な役割を果たしており、その保存と活用が、都市景観の保全に大きく貢献しています。

選定基準と選定手続き

建造物の選定にあたっては、以下の4つの基準が原則として適用されます。

1. 建築後50年以上経過していること: 建造物の歴史的経緯を考慮し、一定の年月を経ていることを条件としています。
2. 東京の景観づくりにおいて重要なものであること: 建造物が、地域の景観形成に果たしてきた役割や、都市全体の景観に与える影響が考慮されます。
3. できるだけ建築当時の状態で保存されていること: 建造物の歴史的価値を保全するため、可能な限り元の状態を維持していることが望ましいとされています。
4. 外観が容易に確認できること: 一般の人々にも、建造物の歴史的価値を視覚的に理解できるよう、外観の確認が容易であることが求められます。

文化財保護法や東京都文化財保護条例に基づき、国や東京都の文化財に指定または登録されている建造物は、東京都選定歴史的建造物の選定対象とはなりません。ただし、文化財指定を受けていない建造物であっても、歴史的景観の形成に特に重要な役割を果たすものは、「景観上重要な歴史的建造物等」として指定され、同様の保全措置が適用されます。また、重要文化財などの指定により選定が解除された建造物についても、歴史的景観保全の指針は継続して適用されます。

選定建造物の現状と景観上重要な歴史的建造物等

2019年5月現在、選定解除分を除くと96件の建造物が東京都選定歴史的建造物として選定されています。欠番となっている建造物の多くは、重要文化財の指定を受けたことにより、選定が解除されたものです。

一方、「景観上重要な歴史的建造物等」は、2019年5月時点で77件が指定されています。これらの建造物は、国指定または都指定の文化財ではないものの、歴史的景観の形成に重要な役割を果たす建造物、史跡、名勝などが含まれます。

まとめ：歴史と未来をつなぐ建造物群

東京都選定歴史的建造物は、単なる古い建物ではなく、東京の歴史と文化を体現する貴重な遺産です。これらの建造物を保存・活用していくことは、未来世代への貴重な財産を継承し、豊かな都市環境を創造することに繋がります。東京都選定歴史的建造物に関する情報は、東京都都市整備局のウェブサイトで公開されています。興味のある方は、ぜひ詳細な情報をご確認ください。これらの建造物は、東京の街並みを彩るだけでなく、その歴史を語り継ぎ、未来への架け橋となる存在なのです。今後も、適切な保全と活用によって、これらの建造物が大切に守られていくことが期待されます。

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