東京JAP

東京JAP（とうきょうジャップ）は、1980年代前半を中心に活動を展開した日本のロックバンドです。そのルーツはロックンロールミュージカル劇団「ミスタースリムカンパニー」にあり、そのメンバーたちが集まって結成されました。

彼らは1982年に音楽シーンに登場し、CBSソニー（現在のソニー・ミュージックエンタテインメント）からアルバム『発』とシングル『ギブミー・チョコレート』を同時にリリースしてデビューを飾りました。このデビュー直後、初期メンバーであったボーカル兼ギターの黒田真澄（1957年7月28日生）がバンドを離れています。

活動初期の特筆すべき出来事として、1983年には著名なシンガーソングライターである松任谷由実がプロデュースおよび演出を手がけたアルバム『東京JAP大作戦』を発表し、同タイトルのコンサートも開催しました。これは当時の音楽業界においても珍しいコラボレーションであり、注目を集めました。

バンドは活動中にメンバーの変動も経験しています。ボーカルとシンセサイザーを担当していたオバリー佐藤（本名：佐藤幸雄、1957年6月20日生）は、1984年頃に脱退し、その後は俳優として活動した後、引退しました。

東京JAPの存在を広く知らしめたのは、1984年にリリースされた楽曲「摩天楼ブルース」の大ヒットです。この曲はTBS系のテレビドラマ『少女に何が起ったか』の主題歌に起用され、そのドラマティックな展開と共に多くの人々に強い印象を与えました。

バンドは順調な活動を続けているかに見えましたが、1986年に惜しまれつつ活動を休止しました。それぞれのメンバーは、活動休止後に新たなキャリアを歩むことになります。

主要メンバーのその後を見ると、ドラムスを担当していたヤス赤坂（本名：赤坂泰彦、1959年11月25日生）は、活動後期にはパーカッションも兼任していましたが、休止後はラジオDJとして目覚ましい活躍を見せ、そのユニークなキャラクターでお茶の間の人気者となりました。

また、ボーカル兼リズムギターでリーダーを務めた立川利明（1959年12月20日生）と、ボーカル兼リードギターの実田薫（1961年4月3日生）は、後に「KAO」というバンドを結成し、音楽活動を続けました。実田薫は活動休止後、「真田カオル」名義でも活動し、他の歌手やタレントのプロデュース、楽曲提供なども手掛けています。立川利明は「有限会社テンライズ」を設立したほか、1990年代前半には俳優としても活動した時期があります。

その他のメンバーでは、ベースの山本倫和（1960年7月23日生）、シンセサイザーの宇津木一典（1961年2月2日生）らが名を連ねていました。

彼らは音楽活動以外にも、メディアへの露出がありました。例えば、1985年にはTBSラジオで彼らの冠番組『摩天楼倶楽部〜思い切り午前3時〜』を担当し、また1983年にはスズキの軽自動車「マイティボーイ」のCMに出演しています。

現在、「東京JAP」という名称は、メンバーであった真田カオル（実田薫）と赤坂泰彦が所属する事務所の名前として残されており、バンドの足跡を今に伝えています。

ディスコグラフィとしては、CBSソニーから複数のシングルやアルバムがリリースされており、タイアップ楽曲も存在しました。

東京JAPは、劇団仕込みのエンターテインメント性と、ロックサウンドを融合させ、1980年代の日本の音楽シーンにおいて確かな個性を放ったバンドと言えるでしょう。

関連事項として、彼らのヒット曲「摩天楼ブルース」はドラマ『少女に何が起ったか』と深く結びついて記憶されています。また、メンバーのその後の活躍、特にラジオDJとしての赤坂泰彦は、多くの音楽ファンやリスナーにとって馴染み深い存在です。

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