東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば

2011年3月16日、天皇明仁（当時）は、東日本大震災の発生を受けて、国民に向けてビデオメッセージを発表しました。このメッセージは「東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば」というタイトルで、宮内庁の公式サイトにも掲載されています。

天皇陛下は、地震発生から数日後の3月15日に、宮内庁長官や侍従長と協議し、国民へのメッセージをビデオで伝えることを決定しました。皇后陛下とも相談しながら原稿を作成し、翌16日午前中には完成させました。同日午後3時にはビデオ収録を開始し、天皇自らがカメラの前でメッセージを読み上げました。

メッセージの内容は、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の状況を深く憂慮し、被災された方々への励まし、そして防災関係者への労いでした。天皇陛下は、国民が困難な状況を乗り越えることができるよう、強く願う気持ちを伝えました。

このビデオメッセージは、16時35分からNHKをはじめとする日本の多くの放送局で、報道特別番組の一環として放送されました。また、緊急情報が入った場合はそちらを優先するよう、天皇陛下の意向も各局に伝えられていました。このメッセージは、天皇陛下が国民に直接語りかけるという点で、1945年の終戦時の玉音放送になぞらえられ、「平成の玉音放送」と表現されることもありました。

このメッセージは、震災によって深く傷ついた国民を励まし、復興への希望を与えるものとして、多くの人々の心に響きました。

関連情報として、宮内庁の公式サイトでは、このビデオメッセージの動画を視聴でき、テキスト版も公開されています。また、NHKの放送史やYouTubeでも関連の動画を見ることができます。

このメッセージは、天皇陛下が国民と心を一つにし、困難を乗り越えるための力となることを願った、深い思いが込められたものでした。天皇陛下のお言葉は、被災地だけでなく、日本全体に勇気と希望を与え、国民が一つになって困難に立ち向かうための大きな力となりました。

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