東北大学多元物質科学研究所

東北大学多元物質科学研究所について

東北大学多元物質科学研究所（IMRAM）は、2001年に設立された研究機関であり、物質の性質を生体、材料、反応、計測といった異なる視点から研究しています。その目的は、物質科学の新たな発展を促進し、より良い未来社会の実現に寄与することです。本研究所は、東北大学の片平キャンパスに位置しています。

設立の背景

IMRAMは、東北大学に属する3つの研究所を統合して創設されました。以前の研究所はそれぞれ異なる分野を専門としていましたが、統合することで「多元的な物質に関する学理およびその応用」に特化した新たなプラットフォームが形成されました。

対象とする「物質」の範囲は広く、ナノスケールからギガサイズ、さらには生物から鉱物に至るまで多岐にわたります。研究分野は、有機物質、無機物質、生命、工学、環境科学など多様な視点を融合させています。このようにして多元物質科学は、新たな研究アプローチを提供し、イノベーションの創出に寄与しています。

異分野融合と国際共同研究

IMRAMは、異なる分野の研究者が協力する異分野融合研究を重視しており、産業界や政府機関とも連携を進めています。また、20を超える海外の研究機関との協定に基づいて国際共同研究が行われており、国際的な研究拠点としての位置を確立しています。

物質・デバイス領域共同研究拠点

2010年度には、他の大学の研究所と共に「物質・デバイス領域共同研究拠点」を設立し、全国規模での大型研究プロジェクトに取り組んでいます。この取り組みは高い評価を受けており、特に2015年度と2018年度の評価で最高評価の「S」を獲得しました。長期的な研究の持続性が認められ、拠点の本部もIMRAMが担っています。

組織と研究分野

IMRAMは複数の研究部門及びセンターを含んでおり、各分野には専門の研究者が在籍しています。具体的には、有機・生命科学、無機材料、プロセスシステム工学、計測研究等の部門があります。それぞれの部門では、分子合成や材料特性の研究、新しいプロセス技術の開発など、多彩なテーマが探究されています。

沿革

研究所は2001年の設立以来、多くの変遷を経てきました。設立当初、291名の職員を有していましたが、現在では新しい研究分野やセンターが次々に設立されています。特に、2016年には物流支援を目的とした新機能無機物質探索研究センターが設立され、2020年には次世代電子顕微鏡技術共同研究部門の設置も行われました。これにより、IMRAMは最新技術の研究を推進しており、いつでも革新的な成果を生み出し続けています。

おわりに

東北大学多元物質科学研究所は、物質科学の最前線で挑戦し続け、持続可能な社会を実現するための新しい材料の開発に貢献しています。これからも異分野との協力を深めながら、さらなる発展が期待されます。

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