東南アジア諸国連合地域フォーラム

ASEAN地域フォーラム（ARF）について

ASEAN地域フォーラム（東南アジア諸国連合地域フォーラム、略称ARF）は、1989年に設立されたアジア・太平洋地域における安全保障と政治の対話の場です。このフォーラムは1993年7月にシンガポールで行われたASEAN拡大外相会議において新たに設立することが合意され、翌1994年7月にはタイのバンコクで初回の会合が開催されました。ARFはASEAN（東南アジア諸国連合）を中核にして、加盟国間の対話を深めることを目指しています。

構成と目的

ARFには、ASEANの加盟国10カ国に加え、さらに16カ国と1つの国際機関が参加しています。このフォーラムは、加盟国間の信頼醸成、予防外交、紛争解決という3つの段階を通じて安全保障に寄与することを目的としています。

特筆すべきは、ARFは常務事務局を有していないため、年に一度のASEAN外相会議と連携して閣僚会議を開催しています。2004年のジャカルタでの閣僚会議では、パキスタンが正式に参加することが認められ、さらには各国の国防高官によるARF安全保障政策会議（ASPC）の設置が決定されたことが重要です。

歴史的な会合

1993年に創設が決まり、1994年には初回会合が開催されたARFは、その後も継続的に重要な議題を扱ってきました。2006年7月24日の閣僚会議では、自然災害への緊急対策についての声明が採択されました。また、その後の第13回ARFでは、朝鮮半島の現状について討議されました。この会合には、過去の会議では欠席していたアメリカのライス国務長官も出席し、積極的な意見交換が行われました。

2007年7月にはタイのバンコクで閣僚会議が開かれ、この際には北朝鮮も参加しました。この会議では、日本と北朝鮮、韓国と北朝鮮の外相会談が行われ、初めての共同声明が発表されました。こうした会議は、APECや東アジアサミットと同様に、地域の安定に寄与する重要な機会となっています。

2010年には第17回閣僚会議がベトナムのハノイで開催され、韓国哨戒艦の沈没事件について議論がなされました。この際、北朝鮮に対する懸念が示され、朝鮮半島の平和と安定の重要性がいっそう強調されました。

まとめ

ARFは、緊急時の対応や地域の安全保障における連携の場として、今後も重要な役割を果たすことが期待されています。年次会合を通じて、各国の外交政策の調整や信頼関係の構築が進むことが望まれています。

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