東天紅 (麻雀)

東天紅の概要

東天紅（とうてんこう）は、主に関東地域で楽しむ三人麻雀の独自ルールです。このルール名は、かつて赤坂にあった人気の雀荘「東天紅」に由来しています。この雀荘は、麻雀愛好者たちに広まるきっかけとなりました。実際のプレイスタイルや得点計算が、従来の四人麻雀とは異なるため、特有の魅力を持っています。

ルールの基本

東天紅では、利用する牌は29種類で、主に一九以外の萬子を除いた27種108枚から構成されています。ただし、一五九を除いた方式や、赤牌を加えた形もあります。特筆すべきは、萬子と北が「ガリ」と呼ばれる特殊役扱いになる点です。

このルールでは、ドラは一般的な四人麻雀と同様に扱われますが、筒子・索子の五は常にドラとされることや、赤牌が使われる特別ルールも存在します。また、特定の役（国士無双や小四喜など）ではガリを手牌に含めることも許可されています。これによって、対戦中に意外性を持たせる戦略が可能になります。

プレイは常に東場で行い、チーは行うことができません。点数計算の方法も通常とは異なり、出アガリは1人分、ツモアガリは2人分の収入となります。和了者が次局の親を引き受け、親がその局で和了すると連荘が続きます。また、王牌はドラ表示牌の隣まで取り切るルールが設けられています。

ノーテン罰符の点数は、場に浮く点として数えられ、流局がほとんどないため、独自の設定がされていることが多いです。リーチについてはフリテンリーチが可能ですが、見逃しは許可されていません。オープンリーチはおおむね許されていますが、特定の条件があります。

東天紅の独自役と得点

東天紅では、三色同順を除いた通常の役が採用され加えて独自の役も存在しています。役の単位は「飜」ではなくカウントされる「点」に変わります。一部の役では役満が50点の計算をされるため、戦術に影響を及ぼします。

特徴的な役

• - 1点: 親、積み棒、門前、明槓、ガリ
• - 2点: バンバン（場ゾロ）、暗槓
• - 4点: セット（ガリ4枚を集める）
• - 20点: 鳴きカラス（鳴いていてガリなしで和了）
• - 30点: 門前カラス（門前でガリなしで和了）
• - 50点（役満）: ガリを全て集める

得点計算において、符計算は行わず、あがり役の点をそのまま合算します。例を挙げると、リーチツモやガリを含めた合計点が計算され、全体の合計も記録されます。これによって、戦略的なプレイが生まれる環境が整っています。

東天紅の文化的影響

この麻雀ルールは、押川雲太朗の著書『根こそぎフランケン』にも取り上げられています。物語中では東天紅という名称は用いられず、単に「サンマ」と表現されていますが、定義されたルールはほとんど実際のルールと一致します。ただし、一部には異なるポイント設定が見受けられたりもします。

多様な独自役や得点計算が特徴的な東天紅は、日本の麻雀文化の中でも特に人気のあるルールの一つであり、さらに進化を続けています。

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