東宝チャンピオンまつり

東宝チャンピオンまつり

東宝チャンピオンまつり（とうほうチャンピオンまつり）は、1969年から1978年までの間、東宝が実施した映画興行プログラムです。この企画は、春休み、夏休み、冬休みの期間に、子供向け映画を数本まとめて劇場で上映するものでした。

概要

チャンピオンまつりでは、ゴジラ映画をメインに据え、その合間に連続テレビ作品の一話やアニメーション、時にはスポーツやアイドル映画も上映されることがありました。ゴジラシリーズをプロデュースした田中友幸は、低予算でもこのキャラクターを残したいという思いからこのプログラムを立ち上げました。「チャンピオンまつり」の名は、ゴジラと他の怪獣たちが映画の中で「チャンピオン決定戦」を繰り広げることに由来します。

企画経緯

1969年当時、邦画は不景気に悩まされていました。ライバルの東映が「東映まんがまつり」で成功を収めている様子を見た東宝は、同様の形式で自社の「怪獣映画」を取り入れることを考えました。企画書には、「短く編集した怪獣映画とアニメーションの同時上映を行う」ことが記されており、これが『東宝チャンピオンまつり』のコンセプトとなりました。

ゴジラシリーズの制作

しかし、経済状況の悪化に伴い、制作予算は大幅に削減され、ゴジラシリーズの映画も工夫を要するようになりました。予算が1/3以下に抑えられ、初回作品は過去のフィルムを利用した省予算映画となりました。この流れは1975年まで続き、「ゴジラ」はヒーローとして描かれることが多くなりました。さらに、1970年の円谷英二の死去や東宝の組織改編も、映画制作に影響を及ぼしました。

過去作品のリバイバル

チャンピオンまつりの展開の中で、東宝の過去の名作がリバイバル上映されることもありましたが、多くが短縮版としての公開でした。これによりオリジナルのネガには不適切な編集がなされてしまい、後年ビデオ化された際には色調の乱れなどが見られることになりました。このような状況は、『キングコング対[[ゴジラ]]』をはじめ多くの作品で発生しましたが、近年、これらのカット部分が復元される動きも見られます。

終焉とその後の影響

1975年以降、チャンピオンまつりは春季のみの開催となり、1978年には最後の興行を迎えました。その後、上映されていた作品のスタイルは、毎年3月に公開される『映画ドラえもん』など、人気アニメの長編映画と結びつく形で受け継がれていきました。

シンボルマーク

初回から最後の回まで使用されたシンボルマークには、左下にゴジラが描かれており、上に「東宝」、中央に「チャンピオン」、下に「まつり」と記されています。このデザインは、企画に関わったデザイナーによる提案を受けて決定されました。

公開作品一覧

1980年初頭までの間、東宝チャンピオンまつりではたくさんの映画が公開され、その中には新作やテレビアニメの再編集版が含まれていました。一部の作品は地域によって異なる上映があったため、個々の体験によって記憶されています。

このように、東宝チャンピオンまつりは約9年間にわたって続いた子供向け映画の重要なイベントであり、今でも多くのファンの記憶に残っていることでしょう。

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