東急ホームショー ゆかいな広場

東急ホームショー ゆかいな広場

『東急ホームショー ゆかいな広場』（とうきゅうホームショー ゆかいなひろば）は、1967年にNETテレビ（現在のテレビ朝日）が制作し、NET系列を通じて放送されたバラエティ番組です。この番組は、1967年1月21日から同年4月1日までの約3ヶ月間、毎週土曜日の夜7時から7時30分までの30分枠で放送されていました。番組は、東急リビンググループ一社の単独提供で届けられました。

この番組の大きな特徴は、一般の視聴者が主役となる視聴者参加型の企画であった点です。当時のテレビメディアにおいて、「もしテレビに出演できるなら、こんなことをやってみたい」「あんな夢をテレビで実現したい」という、一般視聴者が抱く純粋な願いや憧れを叶えるための場として企画されました。

番組には毎回、実に多様な背景を持つ一般視聴者から選ばれた3組のペアが登場しました。これらの出場者は、それぞれ育ってきた環境や人生経験、そして世代も異なり、その多様性が番組に彩りを与えました。彼らはまず、テレビに出演することへの熱い思いや、番組を通じて何を表現したいのかを率直に語る機会が与えられました。その後、各ペアは事前に準備してきた自慢の歌声や、磨いてきた特技などを披露するパフォーマンスを行いました。

『東急ホームショー ゆかいな広場』のクライマックスは、他の視聴者参加型番組とは一線を画すものでした。単にパフォーマンスの優劣を競うのではなく、番組のエンディングでは、その回に出演した参加者全員が一体となり、あたかも一つの家族であるかのような「テレビ家族」を形成するというユニークな演出がなされました。これは、異なる背景を持つ人々がテレビを通して繋がり、一時的にでも温かい家庭のような空間を共有するというコンセプトに基づいています。この「テレビ家族」としての交流を通じて、番組は競争原理とは異なる、共感と調和を重視したアットホームな雰囲気を醸成し、視聴者に温かい感動を届けました。

番組の司会進行は、当時すでに人気歌手として広く知られていた島倉千代子と、小島正雄が務めました。彼らの巧みなリードと温かい人柄は、初めてテレビに出演する一般参加者の緊張を和らげ、番組全体の和やかなムード作りに貢献しました。

『東急ホームショー ゆかいな広場』は、1967年の年初から春先にかけての比較的短い期間での放送となりましたが、一般視聴者の夢を叶えるという企画意図や、「テレビ家族」というユニークなコンセプト、そして司会陣の魅力により、当時の視聴者に一時的ながらも記憶に残る番組として親しまれました。番組を通じて、テレビが単なる情報伝達の媒体ではなく、人々の夢を後押しし、温かい交流を生み出す場となりうる可能性を示したと言えるでしょう。

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