東播磨港

東播磨港：播磨灘北東部の要港

東播磨港は、兵庫県南西部、播磨灘の北東部に位置する、明石市、加古川市、高砂市、加古郡播磨町にまたがる広大な港湾です。国土交通省より重要港湾に指定されており、地域経済を支える重要なインフラとして機能しています。

歴史と発展

東播磨港の歴史は古く、313年には景行天皇の時代から港として利用されていたという記録が残っています。江戸時代には、姫路藩主・池田輝政による高砂堀川の開削により、加古川舟運が発展し、高砂は姫路に次ぐ播磨地方の主要都市として繁栄しました。

近代に入ると、周辺には複数の港湾（二見港、別府港、高砂港、伊保港、曽根港）が点在していましたが、高度経済成長期の1963年、これらの港湾を統合して東播磨港が開港しました。この統合と、それに続く沿岸部の港湾整備により、東播磨港は近代的な総合港湾へと生まれ変わりました。

港湾施設と機能

東播磨港は、東西約14kmにわたる広大な港湾区域を有し、複数の地区に分けられています。

二見地区: 内航船向けの公共岸壁、ボートパーク、漁業施設などが整備されています。
播磨地区: 水深10～12mの公共岸壁があり、北米航路など大型船舶も利用可能です。建設重機の取扱いが盛んです。
別府・加古川・尾上地区: 神戸製鋼所加古川製鉄所が立地し、鉄鉱石や石炭などの大量輸入が行われています。
高砂地区: 化学系の企業が多く立地しています。また、高砂海浜公園などの親水公園も整備され、自然環境との調和にも配慮されています。
* 荒井・伊保地区: エネルギー関連の企業が集積しています。

これらの地区それぞれの特性を生かし、多様な貨物の取扱いに対応しています。

港勢

2018年のデータによると、東播磨港の年間入港隻数は約14,645隻（総トン数約3,000万トン）、取扱貨物量は輸出約292万トン、輸入約1,778万トンに上ります。主要輸出品は鋼材、砂利・砂、鉄鋼などで、主要輸入品は鉄鉱石、石炭、非金属鉱物などです。内航貨物についても、多量の取扱量を誇っています。コンテナ貨物も取り扱っており、国際的な物流にも貢献しています。

播磨臨海工業地帯の中核

東播磨港は、西隣に位置する国際拠点港湾である姫路港と連携し、播磨臨海工業地帯の中核を担っています。加工・組み立て型企業が多く立地しており、地域の製造業を支える重要な役割を担っているだけでなく、日本経済全体への貢献も大きいです。今後も、港湾機能の更なる高度化、環境保全への取り組みなどを通して、持続可能な発展が期待されています。

まとめ

東播磨港は、長い歴史と発展を経て、現在では多様な産業を支える重要な港湾として機能しています。その規模、歴史、そして地理的位置から、今後も播磨臨海工業地帯のさらなる発展に大きく貢献していくことが期待されています。

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