東方出版

東方出版株式会社の概要

東方出版株式会社（とうほうしゅっぱん）は、日本の出版社であり、特に仏教や哲学に関する書籍を多く取り扱っています。1978年6月1日に設立され、本社は大阪市天王寺区逢坂に位置しています。従業員数は10名と、規模は比較的小さいものの、独自の出版活動を展開してきました。

主な出版ジャンル

同社は様々なジャンルの書籍を出版していますが、特に下記の分野に力を入れています。

• - 仏教全般
• - 哲学・思想
• - インド学
• - 歴史・民俗
• - 社会
• - アジア
• - 大阪・関西関連の書籍
• - 写真集
• - 芸術・芸能（特に古典芸能や上方芸能）

これらのテーマは、長年の研究や実績を基にした知見を反映したもので、専門的な情報を求める読者層に支持されています。特に、仏教関連の書籍は教育機関や宗教団体からも注目を集めてきました。

直営書店とその閉店

1997年には「四天王寺書林」という直営の書店を、大阪市天王寺区大道に開設しました。この書店では、主に仏教関連の書籍が販売され、多くの顧客に親しまれました。しかし、2009年の1月4日には惜しまれつつも閉店することとなりました。経営環境の変化や対象フィールドのニーズが影響したとされています。

経営状況

2008年10月、東方出版株式会社は大阪地方裁判所に対し民事再生法適用の申請を行いました。翌月には民事再生手続の開始が決定します。その後、同年の5月には債権者から再生計画への同意を得て、計画の認可が決まりました。そして2012年6月18日、大阪地方裁判所によって再生手続きが終了することとなりました。

この一連の経営再建の取り組みは、同社が持つ豊かな出版経験を生かしながら、さらなる成長へと繋がる基盤を築く過程でもありました。

出版物を巡るトラブル

同社は2008年に出版した『臨済録入門』（著者：井上暉堂）に関して、他の出版物との類似性が問題視されました。具体的には、里道徳雄が著した『臨済録を学ぶ・禅の話』と、NHK出版が刊行した『臨済録禅の神髄』との内容が非常に似通っていることが指摘され、盗用の疑いが持たれました。その結果、2011年には『臨済録入門』は絶版となり、流通していた書籍の回収が実施されました。

このようなトラブルは出版社にとって致命的な影響を及ぼすことが多く、東方出版株式会社も例外ではありませんでしたが、その後の経営再建に向けた取り組みには注目が集まりました。

まとめ

東方出版株式会社は、小規模ながらも独自の特徴を持つ出版社として、日本国内外での様々なジャンルの出版活動を展開してきました。仏教や哲学に関する深い知識と情熱をもって、その道を切り拓いてきた同社の動向には、今後も目が離せません。

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