東方語学校

東方語学校の概要

設立背景

東方語学校は、1900年に京都法政学校の一部として設立された私立の語学教育機関です。この学校は、主に東洋の言語を学ぶことを目的としており、特にビジネスや実務に必要な言語スキルを身につけることを重視していました。校長には京都法政学校の学監の職を務めていた中川小十郎が就任し、幹事には清水政太郎が名を連ねていました。

教育内容とカリキュラム

東方語学校は、夜間に開講する2年制のコースを提供しており、一学年は三学期制で、授業は日曜日を除く週6日、午後3時から5時まで行われていました。カリキュラムは、週8時間の授業のうちおおよそ6時間が語学の授業に費やされ、残りの2時間は近代史や地理、植民政策に関する講義が行われました。

当初、設立された学科は「清語科（中国語）」、「露語科（ロシア語）」、「韓語科（朝鮮語）」の3つでしたが、韓語科は実際には開設されなかったとされています。初年度の学生人数は、清語科が約50名、露語科が約10名でした。さらに翌年には英語科の開設を申請し、認可を受けることで実用英語の指導も行われるようになりました。入学に関する費用は、入学金が1円、編入検定料が2円、月額の授業料が1円という設定でした。

設立の目的

私立東方語学校の設立目的に関する規則の中には、次のような記述があります。『本校は主として東洋の近世語を授け、東洋各地において様々な実務に従事する者に適切な教育を行う所である』という理念のもと、様々な言語教育が行われました。

教職員の顔ぶれ

設立当初の教職員には、校長の中川小十郎をはじめ、幹事の清水政太郎、そして教師として三井道郎、任文毅（任天知）、花岡伊之助が名を連ねていました。特に1905年には狩野直喜が「時文」の授業を担当していたとの記録も残っています。

年表に見る学校の歴史

• - 1903年10月: 私立東方語学校が開校
• - 1904年1月: 英語科の増設が認可される
• - 1904年7月: 清語速成4ヶ月講習会が設立
• - 1904年8月: 速成露語6ヶ月研究会が設立され、女子部も併設
• - 1904年11月: 清語科での第一回卒業式が行われる
• - 1908年12月: 私立東方語学校が閉鎖

このように、東方語学校は短期間に様々な言語に関する教育を行いましたが、最終的には1908年に閉校となりました。その後の教育機関においても、多くの言語教育の基盤を築いたと考えられています。学校が閉鎖されるまでに在籍していた学生たちは、各自の専門分野で活躍し、言語教育の重要性を学んだ貴重な経験を持っています。

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