東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.

東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.

『東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.』は、ZUNによって原作が手掛けられ、春河もえが作画を担当した漫画作品です。角川書店の『月刊コンプエース』にて連載されていました。コミックスは全7巻が刊行されています。

概要

『東方鈴奈庵』は、角川書店『月刊コンプエース』で連載されていた東方Projectの公式漫画作品です。ZUNと角川書店との企画により、前作『東方三月精』の連載終了後、新たな公式漫画としてスタートしました。2012年6月にZUNから新作漫画連載の告知がラジオで行われ、同年10月より連載が開始されました。主人公は、本作で新たに登場した本居小鈴。ZUNは本作について「三月精のようないつもの通りの東方」と述べています。単行本は1巻から3巻までの累計で27万部を記録しています。

あらすじ

物語の舞台は、人里離れた山奥に存在する幻想郷。外界との交流がほとんどないこの地の人里に、貸本屋「鈴奈庵」があります。その娘である本居小鈴は、ある日、妖怪の存在が記された「妖魔本」を読む特殊な能力に目覚めます。しかし、この能力は幻想郷に新たな妖怪の脅威をもたらすことにも繋がっていくのでした。

登場人物

本居 小鈴（もとおり こすず）

本作の主人公。貸本屋「鈴奈庵」の娘で、店にある多くの本に囲まれて育ちました。普段は裸眼ですが、時折眼鏡を掛けています。外の世界から幻想郷に流れ着いた外来本を読むことを好み、特に妖怪の存在が記された妖魔本に強い興味を持っています。妖魔本は人間には解読困難な文字で書かれており、多くの妖怪が封印されています。小鈴は妖魔本に書かれた文字を読み解く能力を持っており、その能力によって妖魔本を読み、封印されていた妖怪を復活させてしまうこともあります。
第五話でマミゾウに憧れ、妖魔本の研究を深めることを決意します。第十六話では、本の持つ妖気を感知できるようになったため、阿求から妖魔本の影響を心配されています。

既存の登場人物

以下に『鈴奈庵』以前から東方Projectに登場しているキャラクターを解説します。

博麗 霊夢（はくれい れいむ）
博麗神社の巫女。妖怪退治や異変解決を生業としています。二つ名は“楽園の素敵なシャーマン”。小鈴に、妖魔本から危険な妖怪が復活した際には退治を依頼されています。物語開始以前から小鈴とは知り合いだったようです。

霧雨 魔理沙（きりさめ まりさ）
魔法の森に住む魔法使い。二つ名は“極めて普通のマジシャン”。霊夢と同様に、小鈴とは以前から面識があり、妖魔本から復活した妖怪退治に協力しています。時折鈴奈庵を訪れて本を借りています。

稗田 阿求（ひえだの あきゅう）
見たものを決して忘れない能力を持つ、稗田家の九代目。二つ名は“九代目のサヴァン”。阿求が執筆した『幻想郷縁起』は鈴奈庵で印刷されており、その縁から小鈴とは友人関係にあります。鈴奈庵から本を借りては、全て暗記してから返却しています。

十六夜 咲夜（いざよい さくや）
紅魔館のメイド長。二つ名は“吸血鬼のメイド”。第七話では、逃げ出したレミリアのペットを探して霊夢の元を訪れ、最終的に自らの能力でペットを捕獲し、紅魔館へと連れ帰りました。

二ッ岩 マミゾウ（ふたついわ まみぞう）
化けさせる程度の能力を持つ化け狸。二つ名は“捕らぬ狸のディスガイザー”。人里では人間に化けて行動しています。鈴奈庵にある“私家版百鬼夜行絵巻最終章補遺”の力を利用しようとしましたが、小鈴に断られています。

聖 白蓮（ひじり びゃくれん）
魔界の一部「法界」に封印されていた元人間の魔法使いで、命蓮寺の僧侶。二つ名は“妖怪寺のマスタープリースト”。

レミリア・スカーレット
紅魔館の主である吸血鬼。二つ名は“紅色のノクターナルデビル”。珍しいペットを手に入れたことを霊夢に自慢していました。

秦 こころ（はたの こころ）
面霊気。二つ名は“表情豊かなポーカーフェイス”。人間の感情を学ぶために、博麗神社で能を演じていました。

少名 針妙丸（すくな しんみょうまる）
博麗神社に居候している小人。二つ名は“輝く針のリリパット”。

河城 にとり（かわしろ にとり）
河童。二つ名は“水の中のエンジニア”。

鈴仙・優曇華院・イナバ（れいせん・うどんげいん・いなば）
永遠亭の玉兎。二つ名は“地上のムーンラビット”。

東風谷 早苗（こちや さなえ）
守矢神社の風祝。二つ名は“風と湖のテウルギスト”。

森近 霖之助（もりちか りんのすけ）
古道具屋の店主。二つ名は“古道具屋のキュリオスフェロー”。

封獣 ぬえ（ほうじゅう ぬえ）
二つ名は“正体不明のアンノウンX”。

射命丸 文（しゃめいまる あや）
鴉天狗。二つ名は“鴉天狗のジャーナリスト”。

八雲 紫（やくも ゆかり）
様々な物事の境界を操る力を有する妖怪。二つ名は“幻想郷のゲートキーパー”。

作中用語

妖魔本（ようまぼん）：主に昔の妖怪が書いた本を指し、人間には解読できない文字で書かれていることが多い。
鈴奈庵（すずなあん）：人間の里にある貸本屋。外来本を扱っており、妖魔本も一部の客に知られている。
* 外来本（がいらいぼん）：外の世界から来た本の総称。

既刊一覧

1. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第1巻（2013年3月26日発売）
2. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第2巻（2014年2月26日発売）
3. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第3巻（2014年12月26日発売）
4. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第4巻（2015年8月10日発売）
5. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第5巻（2016年4月26日発売）
6. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第6巻（2016年12月26日発売）
7. 東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. 第7巻（2017年9月25日発売）

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