東日本大震災復興特別会計

東日本大震災復興特別会計について

東日本大震災復興特別会計は、2012年度に設立された特別会計で、震災からの復興に必要な資金の流れを明確にし、復興債の償還を適切に管理することを目的としています。この特別会計は、国の一般会計から独立した形で運用され、主に復興事業に充てられる予算を計上し、各省庁が独自に復興事業を進めるための基盤となっています。

財源

この会計の主要な財源には以下のものがあります。

• - 復興特別所得税：震災の影響を受けている全ての国民から徴収される税金で、復興のために使用されます。
• - 一般会計からの受入れ：通常の国家予算からの資金がこの特別会計に振り分けられます。
• - 復興債の発行収入：復興のために発行された国債による収入が含まれます。また、事故由来の放射性物質に関する費用の回収金も主要な収入源です。

例えば、2019年度の予算では、歳入合計が2兆1347億9032万円となっており、前年比で2244億9430万円の減少が見られました。特に復興特別所得税は4196億円を見込んでおり、前年比193億円の増加としていますが、一般会計からの受入れは1848億円となり、前年比4020億9142万円の大幅な減少が記録されました。

歳出

歳出も同額であり、復興に必要な様々な経費が計上されています。具体的には次のような事業が含まれています。
1. 災害救助関連事業：災害救助法に基づく支援事業。
2. 災害廃棄物処理事業：震災によって発生した廃棄物の処理。
3. 復興公共事業：公共施設の復旧・再建。
4. 災害関連融資：被災した企業や農業者の支援。
5. 地方交付税交付金：地方自治体の負担軽減に寄与するための資金。
6. 復興交付金事業：地域主体での復興事業を支援する資金。
7. 原子力災害復興事業：福島の復興に関わる様々な取り組み。
8. その他の支援：中小企業の修復や、避難地域の帰還支援を目的とした補助金など。

法的根拠

この特別会計の設立根拠は、「特別会計に関する法律（平成19年法律第19号）」であり、複数の省庁が共同で管理を行っています。具体的には、国会、内閣、復興庁、財務省などがこの特別会計に関与し、透明性を持って運用されることが求められます。

特別会計の設立を通じて、震災からの復興に向けた多くの資金が厳格に管理され、地域社会へと還元される一助となっています。今後もその透明性と効率的な運用が求められます。

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