東映洋画

東映洋画の概要

東映洋画（とうえいようが）は、日本の映画業界において、1972年に設立された洋画の配給部門です。当初は「東映株式会社洋画部」と呼ばれ、主に外国映画の配給を担当しました。本部は東京の銀座にある東映本社内に設置され、正式に業務を開始したのは1972年5月16日でした。東映洋画は、他の大手映画会社である東宝の東宝東和や松竹の松竹富士と肩を並べる存在として、多くの洋画作品を日本国内に提供しました。

洋画の配給に加えて、邦画の宣伝も手掛けており、当時の日本映画界における位置づけは特に重要でした。1994年には業務が縮小し、1995年には映画営業部に吸収され、公式にはその歴史が幕を閉じました。しかし、東映は2011年に「TOEI TRY△NGLE」（東映トライアングル）という新しいレーベルを設立し、24年ぶりに洋画の配給を再開しました。

詳細な歴史

1970年代の設立

1972年、当時の社長岡田茂の指導のもと、東映洋画は設立されました。彼は、邦画市場の斜陽に伴い、洋画配給の参入を決断しました。日本映画界は収益性の低下に苦しんでおり、新しいビジネスチャンスを模索していたのです。この背景のもとで、150億円を超える邦画市場に対抗すべく、洋画市場にも目を向けたのです。

洋画配給のスタートはポルノ[[映画]]から始まり、その後は一般映画へと範囲を広げていきました。最初の作品は西ドイツから輸入した『性医学・幸福へのカルテ』でした。この作品から始まった洋画の配給は、徐々に多様化し、様々なジャンルの作品を取り扱うようになりました。

1980年代の成長

1980年代になると、洋画の人気は急成長を遂げます。特に『E.T.』の公開は、日本の映画界に大きな影響を与え、興行収入の40%を占めるほどでした。これにより、東映は邦画の不振を洋画でカバーできるようになり、映画業界全体における存在感を高めました。この時期、ジャッキー・チェンの映画も多く取り扱い、彼の人気を広めることに成功しました。

しかし、経済環境の変化や競争の激化により、次第に洋画の配給業務は苦境に入り、1987年を最後に洋画部門は活動を停止します。

1990年代の衰退

1990年代に入ると、洋画配給のシェアは急速に減少しました。外部との提携もうまくいかず、失敗が続いてしまったのです。1995年には、映画営業部に吸収され、長い歴史を持つ洋画配給部門は正式に廃止されました。

洋画関連の新たな取り組み

2011年に発足した「TOEI TRY△NGLE」は、東映が再び洋画配給に乗り出すきっかけとなりました。これは、かつての栄光を取り戻すための試みといえるでしょう。

まとめ

東映洋画は、日本映画界において重要な役割を果たした洋画配給部門であり、設立から廃止までの数十年にわたる歴史を持っています。ポルノ[[映画]]から一般映画へと変遷を遂げつつ、東映の多角経営戦略の一環として存在意義を体現しました。今後、再度透明性をもって洋画配給を進めることが期待されています。

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