東木辻町

東木辻町（ひがしきつじちょう）

東木辻町は、奈良県奈良市の中央部、市街地の南に位置する地区です。郵便番号は630-8327。

地理

奈良市の中央に位置し、住宅地が主体ですが、寺院、旅館、喫茶店、料亭なども見られます。奈良町都市景観形成地区に指定されており、古い街並みが保存されています。かつては木辻遊郭があり、井原西鶴の『好色一代男』にも登場しました。

隣接する地域は以下の通りです。

北：鳴川町
東：三棟町、花園町
南：瓦堂町、京終地方東側町
西：西木辻町

地名の由来

東木辻町の地名は、1889年（明治22年）に付けられました。慶長の頃、現在の東木辻町に辻堂があり、地蔵菩薩が安置されていました。その傍らに大樹があったことから「木辻」と呼ばれるようになりました。西木辻町の改称に対応し、木辻町を東木辻町と改称しました。

歴史

東木辻町は、若い人や僧侶、旅人、商人の憩いの場として発展しました。その起源は桃山時代に遡るとも言われています。豊臣秀吉が奈良の各所にあった遊郭を、町の景観を理由に東木辻町一帯に集めたという説もあります。

1889年（明治22年）：木辻町から東木辻町へ改称。
1909年（明治42年）：奈良に陸軍歩兵第53連隊が設置され、東木辻町は賑わいを見せました。
1945年（昭和20年）：終戦後、軍の慰安所として利用されました。
1957年（昭和32年）：売春防止法施行により、多くの店が旅館や喫茶店に転換しました。

主な施設

称念寺
旅館静観荘
ビッグ・ナラ

交通

鉄道

鉄道は地区内にありません。

バス

奈良交通の市内循環バスが利用できます。最寄りのバス停は「北京終町」で、東木辻町の中心部から徒歩約5分です。

学区

学区は以下の通りです。

奈良市立済美小学校
奈良市立春日中学校

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年 ISBN 4-04-001290-9
山田熊夫『奈良町風土記(正編)』豊住書店　1987年（改定版）
山田熊夫『奈良町風土記(続々編)』豊住書店　1988年

関連項目

* 奈良市

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