東武3200系・5400系電車

東武3200系・5400系電車の概要

東武3200系及び5400系電車は、東武鉄道の電車形式名の一環として、1951年に実施された大改番によって新たに命名された電動車の系列です。この改番により、これまで複雑で理解しにくかった形式番号が整理され、新しい基準が設けられました。以下に、改番の経緯および各系列の詳細を見ていきます。

大改番の背景と形式再編

東武鉄道では、戦前からの車両番号体系が非常に煩雑で、同一番号の車両が異なる形式で存在していたため、組織的に管理することが難しい状況でした。1949年に改番基準が設けられ、全車両の番号整理が進められることが決定しました。

新たな付番基準

大改番の際に設けられた新しい付番基準は、以下の3つの要素に基づいています。
1. 主電動機出力：千の位で表し、例えば75kW以下は「1」、110kWは「5」など。
2. 制御器の種類：百の位で表し、HL制御器は「1」、日立製作所製では「4」などの番号が付与されます。
3. 用途：十の位で、旅客車は「0」から「6」、荷物車は「7」または「8」と定義されています。

この新しい基準により、モハ（電動車）は4桁、クハ（制御車）は3桁、サハ（付随車）は2桁の番号が与えられることになりました。

32系と54系の詳細

電動車

• - モハ3200形：この形式は、戦後に生き残った車両が統合されて構成されています。例えば、3200形Aaは戦前のデハ4形から来ており、3202から3205は戦後に電装解除された車両を改造使用したものです。

• - モハ5400形：こちらも多様な背景を持つ車両が集約されており、昭和2年から4年系デハ8形に起源を持ちます。

制御車および付随車

• - クハ220形：大正15年系デハ3形の後継であり、改番によって制御車に再分類されたものです。

• - クハ410形（初代）：デハ10系の一部で、全車電動車化され後にモハ5410形となりました。

使用状況と形式の消滅

32系及び54系は、併結運転が可能であり、東武鉄道の様々な列車運用に広く使われました。しかし、新型車両の導入により、これらの車両のサービスレベルは徐々に見劣りするようになり、車体の老朽化も進行しました。その結果、32系は3000系に、54系は3050系にそれぞれ置き換えられ、1974年には全ての車両が更新され、形式は消滅しました。

このように、東武3200系・5400系電車は、戦後の鉄道車両の再編成を象徴する重要な系統であり、当時の鉄道車両の進化を語る上で無視できない存在です。

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