東濃鉄道DC182形ディーゼル機関車

東濃鉄道DC182形ディーゼル機関車の概要

東濃鉄道DC182形ディーゼル機関車は、かつて岐阜県に存在していた東濃鉄道の笠原線で稼働していた歴史的なディーゼル機関車です。1955年に導入されたこの機関車は、1両の特別な存在として、多くの鉄道ファンに親しまれました。

機関車の基本情報

このディーゼル機関車は、名の通りDC182という型式名を持ち、いくつかの数字とアルファベットがその特徴を表しています。具体的には、Dはディーゼル機関車を示し、Cはその軸配置を、さらに18は自らの重さを示し、最後の2は東濃鉄道におけるこのディーゼル機関車の番号を意味しています。全長は6,500mm、全幅2,500mm、全高は3,321mmと、コンパクトなサイズで、運転整備重量は18.7tとなっています。

歴史的背景

このDC182の実際の製造年は1933年で、元は四日市の関西工機で製造されたものでした。その際、日本車輌が内務省名古屋土木出張所向けに製造したものがルーツであり、元々は船舶用の機関を搭載していました。しかし、東濃鉄道へ入線する際には自社でエンジンの換装を行い、エンジンルームの高さを低くする改造も実施したため、車体形状は従来の高いエンドキャブ型からL字形に変わりました。

技術的特徴

動力伝達方式は機械式であり、足回りはロッド駆動の3軸車構造を採用しています。エンジンにはふそうDE-4形ディーゼル機関が1基搭載されており、出力は175PS/1000rpmを誇ります。この仕様により、最大運転速度は時速25kmに設定されています。

運用と廃車

DC182は約9年間の運用実績を持ち、1964年に同じくディーゼル機関車のDD100形が導入されると、その運用量は次第に減少していきました。最終的には1971年に廃車となり、東濃鉄道の運行から姿を消しました。この機関車の記憶は、今も鉄道の歴史に刻まれています。

参考文献

DC182形に関する詳細な情報は、青木栄一による『東濃鉄道』や清水武の著書『東濃鉄道』、および「日車の車輌史 図面集」などの資料に基づいており、それぞれの資料がこの機関車の貴重な歴史を提供しています。

このように、東濃鉄道DC182形は単なるディーゼル機関車としてだけでなく、地域の歴史を継承する重要な存在として語り継がれています。

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