東禅寺 (下呂市)

東禅寺は、岐阜県下呂市東上田に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。諏訪山という山号を持ち、本尊として馬頭観世音菩薩を祀っています。この寺院の歴史は古く、かつては西方寺という名前で知られていたと伝えられていますが、その詳しい由来は明らかになっていません。

慶長3年（1598年）、荒廃していた西方寺を再興したのが、禅昌寺の6世住職である玉雲宗麟です。玉雲宗麟は寺を再建するにあたり、寺号を現在の東禅寺に改めました。この再興によって、東禅寺は新たな歴史を刻み始めました。

東禅寺の境内には、白雲堂と呼ばれるお堂があります。この白雲堂は、益田三十三観音霊場の19番札所として、多くの参拝者を集めています。益田三十三観音霊場は、美濃地方に点在する観音菩薩を祀る霊場を巡る巡礼路であり、その中でも白雲堂は重要な位置を占めています。

東禅寺は、地域の人々の信仰を集めるだけでなく、歴史的にも重要な寺院です。再興された歴史を持つこの寺は、地域の文化や歴史を伝える上で欠かせない存在と言えるでしょう。

参考文献としては、大正5年に発行された『岐阜県益田郡誌』の472ページと473ページに東禅寺に関する記述があります。この文献は、東禅寺の歴史や当時の様子を知る上で貴重な資料となっています。

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