東遠地区聖苑

静岡県東遠地区聖苑：地域の祈りを支える火葬場

東遠地区聖苑は、静岡県菊川市に位置する公営の火葬場です。掛川市と菊川市の2市によって構成される東遠地区聖苑組合が運営を行い、地域住民の大切な送別の場として、長年その役割を担ってきました。

歴史と移転

聖苑の前身となる施設は、菊川町火葬場（現・菊川市）と掛川市火葬場でした。老朽化や周辺地域の市街化の進展を受け、両施設の移転統合が決定。1978年、現在の菊川市西方地区に新築移転されました。この際、周囲の山々に囲まれた立地条件を活かし、専用トンネルである「百合切トンネル」を通るアクセスルートが採用されました。トンネルは複雑な形状となっており、外部からは施設が見えないよう設計されています。これは、故人への弔意と、周囲の生活環境への配慮を両立させるための工夫と言えるでしょう。

その後、更なる老朽化への対策や設備の充実を図るため、2013年には同一敷地内に新施設が建設されました。4月に新施設への移転が完了し、旧施設は解体、外構工事などが行われ、同年12月に全ての工事が完了しています。

新施設の充実した設備

新施設は鉄筋コンクリート造（一部鉄骨造）の2階建てで、敷地面積は33,615㎡、延床面積は約3,600㎡。内藤建築事務所による設計監理のもと、平井・戸塚特定建設工事共同企業体によって施工されました。LPガスを燃料とする6基の火葬炉に加え、ペット用の火葬炉も1基設置されています。利用者の心情に配慮した設計も特徴で、3室の告別室、3室の収骨室、そして7室の待合室が用意されています。その他、広々とした待合ロビーや、一般車両102台、バス7台を収容できる駐車場も完備し、利用者の利便性を高めています。

組合と運営

東遠地区聖苑を運営する東遠地区聖苑組合は、1976年に掛川市と菊川市の2市によって設立されました。組合の所在地は聖苑と同じ菊川市西方地区にあり、地域に密着した運営体制が敷かれています。

アクセスと周辺環境

東遠地区聖苑は、東名高速道路に近い場所に位置していますが、周囲は山々に囲まれた自然豊かな環境です。前述の通り、聖苑へのアクセスは百合切トンネルを通るルートのみで、外部からの視界を遮断することで、静かで落ち着いた雰囲気を保っています。この立地条件と、新施設の充実した設備は、故人を送る大切な儀式にふさわしい環境を提供していると言えるでしょう。

まとめ

東遠地区聖苑は、単なる火葬場ではなく、地域住民にとって大切な弔いの場、そして故人を偲ぶ空間です。長年の歴史と、最新の設備、そして周囲の自然環境が調和した施設は、これからも地域社会に貢献していくことでしょう。

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