東邦出版

東邦出版株式会社について

東邦出版株式会社は、東京都新宿区西早稲田に本社を構える出版社である。主に競馬、サッカー、格闘技などのスポーツ関連の書籍を手掛けているが、近年はF1や自然栽培、各種雑誌の発行にも注力している。また、海外からのスポーツ翻訳書や一般書籍の出版も行っている。

この出版社は、1960年代から1970年代にかけては文学作品中心の運営を行っており、その名は早くから知られていたが、時代の変遷とともにスポーツ関連書籍に移行していった。2019年においては、出版不況の影響を受け、経営が厳しくなり、「KAMINOGE」という雑誌の版権を玄文社に譲渡する事態に至る。

2019年11月には、民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請し、その後は関連会社のシーロック出版社やデジタルビューも事業を停止し、破産手続きに入った。これは、出版業界全体が厳しい状況にある中での出来事であり、多くの書籍や雑誌が影響を受けた。

特に、同社が刊行していた3つの雑誌「自然栽培」「JAPAN CLASS」「バリバリマシンLegend」は、2019年12月に休刊が発表された。これらの版権は他の出版社に譲渡され、東邦出版は再建を目指すこととなる。2020年2月にはフランチェスコ・トッティの自伝『キャプテン魂』を発売するなど、新たな動きも見られる。

受賞作品について

東邦出版は、これまでに多くの受賞歴を持つ。特に、2009年には宇都宮徹壱による『フットボールの犬』が第20回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞し、2011年には幻冬舎文庫から再版されるなど、評価が高まった。また、2014年から設立されたサッカー本大賞では、優秀作品として同社の書籍が幾度も選ばれている。例えば、『ザ・シークレット・フットボーラー』や『フットボールde国歌大合唱！』などがその例である。

主な出版物と雑誌

東邦出版が手掛ける著名な出版物には、坂上忍による「力を引き出すヒント」や、哀川翔著の「早起き3億の徳」など、著名人の著作が数多く含まれている。また、ズラタン・イブラヒモビッチの自伝や、宇都宮徹壱の書籍なども販売されており、スポーツファンに広く親しまれている。

一方、雑誌分野では「F1モデリング」が存在し、F1に特化した内容で多くの読者を惹きつけてきたが、他の雑誌は休刊となり、新しい形となることが期待されている。特に「KAMINOGE」は、その特異な取り組みで多くのファンを持っていたが、引き続き別の形での復活が望まれている。

結論

総じて、東邦出版株式会社は、コロナ禍や経済環境の影響を受けながらも、スポーツ関連の知識と情報を提供し続ける出版社としての地位を維持し、再建へ向けた努力を続けている。将来的には新たなヒット作や雑誌が生まれることを期待したい。

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