東部製鉄

東部製鉄の概略

東部製鉄（とんぶせいてつ）は、韓国における製鉄と加工を手掛ける企業であり、過去には東部グループの一部として活動していました。しかし、同グループの業績が悪化し、2019年にはKGグループが中心となるコンソーシアムによって事実上の傘下に入ることとなりました。

企業の輸入と生産能力

かつての東部製鉄は、主に日本などから輸入した熱延コイルを使用して冷延鋼板を生産していました。このビジネスモデルは、安定した供給源をもとに高品質の製品を提供するというものでした。さらには、2009年に電気炉による世界最大の熱延鋼板生産ラインを唐津市に完成させ、韓国国内で三番目となる一貫製鉄所を持つメーカーとなりました。

経営の多角化とその影響

このような成長を背景に、東部製鉄は非メモリー半導体事業への進出を試みるなど、経営の多角化を図りました。しかし、グローバルな景気減速の影響を受けて経営は徐々に厳しさを増していきました。特に、東部グループ全体が業績不振に見舞われ、業績改善のための支援を受けることができずに閉塞感が漂っていました。

身売りの試みとその結果

製鉄所の一部は、ポスコへの売却を試みるも失敗に終わりました。また、老朽化が進んだ仁川工場は、採算が取れないために東部仁川スチールとして別会社化される事態となりました。さらには、2014年には銀行の管理下に入り電気炉を止めざるを得なくなり、鋼板の加工業務への転換を余儀なくされました。

2017年にはイラン企業に対する電炉設備や熱延ミルの売却も目指しましたが、アメリカの対イラン制裁の強化と重なり、こちらも成功しませんでした。

KGグループへの編入

苦境が続く中、2019年6月13日にKGグループとプライベート・エクイティ・ファンドによるコンソーシアムが東部製鉄の実質的な買収を発表しました。KGグループは、東部製鉄の第三者割当増資において3,600億ウォンのうち2,000億ウォンを引き受ける契約を結び、企業の再生を図る方針を示しました。

まとめ

こうした一連の経緯から、東部製鉄は韓国の製鉄業界において重要な役割を果たしながらも、厳しい経営環境に直面してきた企業であることがわかります。KGグループ傘下となった今、再生が見込まれる中で今後の動向に注目が集まります。

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