東郷神社爆破事件

東郷神社爆破事件の詳細

東郷神社爆破事件は、1989年2月3日に東京都渋谷区で発生した爆弾テロ事件です。この事件は、新左翼の中でも特に革労協解放派によって引き起こされました。その背景には、昭和天皇の大喪の礼が迫っていたことがありました。事件が発生する約20日前から、新左翼各派が「大喪の礼粉砕」というスローガンのもと、不穏な動きを見せていました。

事件の発生

事件当日、午後2時過ぎに東郷神社の本殿裏で突然爆発音が響き渡り、現場には火の手が上がりました。幸いにも、迅速な消火活動により、大規模な火災には至らず、茶室の一部が焦げる程度で済みました。しかし、爆発の影響で窓ガラスが割れ、本殿の扉が吹き飛ぶという大きな被害をもたらしました。この事件による直接的な死傷者は報告されませんでしたが、地域社会や日本全体に不安の影を落としました。

事件の検証

現場検証を通じて、警察はこの爆破事件が計画的であり、特定の意図があったことを明らかにしました。調査の結果、東郷神社と日本社会事業大学との境界線に設置されている有刺鉄線が切断されており、犯行グループは大学の敷地内から侵入した可能性が高いとされました。また、現場では消火器爆弾と時限式発火装置の残骸が発見され、そのことからも新左翼による爆弾テロであると断定されました。

事件の背景

爆破事件は昭和天皇の大喪の礼を控えた時期に発生したため、革労協解放派の目的が「大喪の礼粉砕」であったことは明白です。この事件から約3週間後には、さらに中央自動車道切り通し爆破事件が発生し、革労協解放派の活動が引き続き活発であったことが示されました。

事件の影響

この爆弾テロは、当時の日本社会に大きな衝撃を与えました。特に、平和を尊重する日本国民にとっては許しがたい行為であり、国内のテロに対する警戒感が一層強まる結果となりました。さらに、この事件は新左翼の動向についての関心を高め、多くの人々がその背景や意図を理解しようとするようになりました。

参考文献

事件の詳細を知るために、『過激派事件簿40年史』（立花書房、2001年）を参考にすることができます。この書籍では、過激派の活動やその影響についての詳細な情報が取り上げられています。

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