松原の石取祭

松原の石取祭

松原の石取祭（まつばらのいしとりまつり）は、三重県四日市市北部に位置する富洲原地区の松原地区で開催される祭りです。この祭りは、主に富田一色地区、天ヶ須賀地区、そして松原地区の合計6台の祭車によって構成されています。松原地区においては、正式名称を『聖武天皇社大祭』とし、毎年7月の16日前後に金曜日から日曜日にかけて行われる催しです。

概要

祭りは金曜日の前夜祭から始まり、土曜日は町練り、そして日曜日が本練りという流れで進行します。地域ごとに異なる趣を持った祭車が参加し、観覧する人々を楽しませます。各町の祭車には特有のデザインや囃子（はやし）が施されており、それぞれの町のアイデンティティを象徴しています。

歴史

祭りの起源は奈良時代、聖武天皇が伊勢国に行幸した際の逸話に遡ります。聖武天皇社が鎌倉時代に設立され、祭りとしての形が整ったのは明治時代のことです。最初は、祭りの様式はシンプルであり、大木の間に太鼓や鉦が吊るされていましたが、時を経るにつれて祭車が新造され、現在のような賑やかな祭りの形になりました。特に、昭和20年代には東洋紡績富田工場の影響を受け、新たに祭車が造られることとなりました。

1993年からは、皇太子徳仁親王の成婚を祝し、祭りの開催日が金曜日からの日曜日の3日間に延長されました。また、令和元年には即位を祝う特別な石取祭が実施されました。しかし、令和2年度は新型コロナウイルスの影響で中止となり、神社の神事のみが行われました。

各町の祭車

• - 松一: 地域の中心的存在で、古くから小型祭車で祭礼が行われていました。昭和初期に新造された祭車は、彫刻や提灯が特徴的で、囃子は七つ拍子を奏でます。
• - 松二: 1949年に千歳町、錦町、新栄町が協力して新しい祭車を作成し、祭りに参加しました。この祭車は五つ拍子を囃し、彫刻や提灯に特有の装飾が施されています。
• - 松三: 緑町が主体となり、昭和20年代後半より現在の祭車を使用しています。この祭車も五つ拍子で囃され、彫刻が美しいデザインです。
• - 東洋町: 東洋町では昭和20年代に新たに祭車が造られ、今もなお地域の伝統を継承しています。
• - 西元町: 西元町も同様に、昭和20年代に新しい祭車を持つようになり、地域の文化を大切にしています。

祭りの流れと行事

祭りは様々な行事から成り立っています。まず御払いが行われ、続いて祭事長の提灯合図により叩きだし（祭車の出発）へと進み、町練りを経て本祭へと続きます。また、松原町の松原公園では夜店も開かれ、様々な出店が立ち並ぶため、集まった人々にとって賑やかで楽しい時間となります。

このように松原の石取祭は、町内の自治会合同で行われる重要な行事であり、地域の人々のつながりを深める大切な機会となっています。地元の若者や青年団も参加し、次世代への文化継承に力を入れています。地域の特色溢れる祭りとして、今後もその伝統が守られていくことでしょう。

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