松原明

松原明：日本のNPOセクター発展に貢献した市民活動家

松原明氏は、1960年生まれの日本の市民活動家であり、NPOセクター発展に多大な貢献を果たした人物です。広告制作会社や経営コンサルタントとしての経験を経て、1994年、NPO法の立法推進を目的とした特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会を創設、事務局長に就任しました。

NPO支援制度の推進における中心的な役割

シーズの事務局長として、松原氏はNPO支援制度の構築と発展において中心的な役割を担いました。1998年のNPO法の制定、2001年の認定NPO法人制度の創設、2009年のNPO法人会計基準の策定、そして2011年のNPO法改正など、数々の重要な政策決定に大きく貢献しています。

これらの活動に加え、自治体とNPOのパートナーシップ推進にも尽力しました。改正NPO法の普及や認定NPO法人制度の円滑な施行・運用にも注力し、NPOセクターの健全な発展を支える基盤づくりに貢献しました。

さらに、NPO政策連絡会議の呼掛人共同代表として、NPOからの各政党・政府への政策提言を取りまとめる役割も担いました。全国的なネットワークの中心人物として、内閣府「新しい公共」推進会議委員や千葉県「NPO推進会議座長」などの要職も歴任しています。

新たなNPOマネジメント論の提唱

2020年の新型コロナウイルス感染症拡大においては、民間公益活動の維持が重要な課題となる中、「休眠預金コロナ支援活用検討会」を立ち上げ、要望活動を行いました。

また、松原氏は、既存のNPOマネジメント論が組織内部に焦点が当たりすぎていることを問題視し、ステークホルダーマネジメントや外部ネットワークとの連携を重視する新たなマネジメント論を提唱しました。この考え方を「協力のテクノロジー」と名付け、誰でも理解し実践できる技術体系として体系化することに成功しています。

出版活動

松原氏は、NPOに関する数々の著作を執筆・共著しています。これらの著書は、NPO活動の理解促進、NPO法の普及、NPOの組織運営、会計・税務に関する知識の提供など、NPOセクターの発展に大きく貢献しました。主な著書として以下のものがあります。

『「国家」の限界が見えてきた。』(共著)
『NPO法人ハンドブック』(単著)
『NPO法コンメンタール』(共著)
『NPOはやわかりQ&A』(共著)
『フィランソロピーの橋』(共著)
『ハンドブック市民の道具箱』(共著)
『NPOがわかるQ&A』(共著)
『改正NPO法対応 ここからはじめるNPO会計･税務』(共著)

まとめ

松原明氏の活動は、日本のNPOセクターの発展に計り知れない貢献を果たしました。NPO支援制度の構築から、新たなマネジメント論の提唱、そして数々の出版活動を通じて、日本の市民社会の発展に多大な影響を与え続けています。彼の活動は、現代社会における市民活動の重要性と可能性を改めて示すものと言えるでしょう。 今後も、その経験と知見を活かし、NPOセクターのさらなる発展に貢献していくことが期待されます。

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