松尾國三

松尾國三 - 日本の歌舞伎界と興行界の重鎮

基本情報

松尾 國三（まつお くにぞう、1899年6月8日 - 1984年1月1日）は、佐賀県伊万里市出身の日本の歌舞伎役者、実業家、芸能プロモーターであり、「昭和の興行師」や「芸能界の黒い太陽」と称されています。彼は旅役者としての経験から立身出世を果たし、後に興行界やレジャー産業で幅広く活躍しました。まさに日本の芸能文化の発展に寄与した重要な人物です。

略歴

• - 1899年: 松尾は伊万里市に生まれました。
• - 1908年: 彼は旅芸人の一座に加わり、演技の道を歩み始めます。
• - 1914年: 興行師として独立し、自身の公演を行います。
• - 1920年: 満州や朝鮮において歌舞伎公演を実施。
• - 1926年: アメリカとカナダでも歌舞伎公演を成功させ、国際的な舞台でも活躍します。
• - 1931年: 富士興行合資会社の代表社員に就任し、以後も興行業に大きな影響を与えます。
• - 1934年: 新宿歌舞伎座の経営を手掛け、歌舞伎の発信地となる劇場を作り上げました。
• - 1948年: 富士興業合資会社と雅叙園観光（現・東北雅叙園）の社長に就任し、ホテル業にも進出します。
• - 1953年: 大博劇場株式会社及び富士興業株式会社の社長として、新たな興行を推進します。
• - 1955年: 中国で二代目市川猿之助一座の歌舞伎公演を実施。
• - 1957年: 松尾育英会を設立し、育成支援の活動を始めます。
• - 1960年: 日米修好百年記念祭に参加し、アメリカでの公演も行います。
• - 1961年: 奈良ドリームランドの開園に関与し、夢の世界を作り上げました。
• - 1964年: 横浜ドリームランドの開園を果たし、さらなる発展を見せます。
• - 1970年: 日本演劇興行協会の初代会長に就任し、業界全体を牽引します。
• - 1979年: 松尾芸能振興財団を設立し、芸能活動を支援する基盤を作り上げます。
• - 1984年: 85歳で亡くなり、台東区寛永寺に眠ります。

松尾國三の遺産

松尾が逝去した後、彼の家族は日本ドリーム観光から手を引くこととなりますが、娘の昌出子と孫の國之は、株式会社富士プロジェクトや松尾育英会、松尾芸能振興財団の運営を継承しています。富士プロジェクトは賃貸不動産業に特化しつつ、サッカースクールを展開。その一方、松尾芸能振興財団は松尾芸能賞の主催を行い、若手芸能家の育成に貢献しています。

関連項目

松尾の影響は多岐にわたります。彼の名が残る地名や興行施設は多数存在し、また、彼が関与した大谷竹次郎や中内㓛などの重要人物との関係からも、その影響力の広がりが伺えます。彼が設立した松尾育英会は、教育支援に取り組み、芸術に対する理解を深めるための活動を行っています。

松尾國三は、ただ単に興行師ではなく、日本の歌舞伎や芸能文化を守り育てるための努力を惜しまなかった偉大な人物として、今なお多くの人々の記憶に残り続けています。

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